【Q&A】PRP療法は着床不全に効果的ですか?~藤野 祐司先生【医師監修】

トマトさん (29歳)
低AMHで採卵4回、胚盤胞移植2回陰性で、一度も着床したことがありません。12月後半に3回目の移植を行う予定です。トリオ検査を行い、ラクトフローラの菌が少なかったため現在はサプリを内服しています。医師にはPRP療法を勧められました。
私は子宮内膜は問題ないのですが、着床不全にはPRP療法が効果的なのでしょうか。また以前ホルモン補充で移植しましたが、薬を使用していても生理がきたことがあります。それはホルモン補充が少ないということでしょうか?

藤野 先生に聞いてみました。

【医師監修】ウィメンズクリニック本町  藤野 祐司 先生
大阪市立大学医学部卒業。藤野婦人科クリニックの院長を務めた後、平成28年にウィメンズクリニック本町を開院。
ご夫婦・ご家族の“夢”の実現に向かって、希望を叶えられるよう、患者さんの状況に合わせた診療を提供することを大切にしている。
日本産婦人科学会専門医、生殖医療専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
再生医療としてのPRP療法は、不妊症治療分野では子宮内膜が薄い症例や早発卵巣不全の症例に実施されることが大半です。最近になってPRP療法を内膜菲薄化症例ら卵巣機能低下症例に実施される施設が増えていますが、有効性を判定するに足る十分な結果は公表されていないかと思います。もちろん、着床不全にPRP療法を応用することに関しての有効性は今のところ不明と言わざるを得ません。
ただ、PRP成分の中には成長因子など様々な活性物質が含まれていることが知られており、結果によっては着床不全の新たな治療として今後期待できるかもしれません。
ホルモン補充周期中に月経様出血が生じるのは、自己判断による薬剤(特にプロゲステロン製剤)の使用中止が多い様です。その他には膣座薬挿入による小さな傷、あるいは頚管ポリープの合併などが考えられます。
 A M Hは卵巣に残っている胞状卵胞の数の指標となるもので、卵細胞の質を評価するホルモンではないということが一般的な考えです。実際、胚盤胞移植を2回実施出来ているので卵細胞に関しては数は少ないものの質は保たれていると判断して良いかと思います。
今後、治療を進めていくにあたり多胎妊娠のリスクは高まりますが、複数胚移植なども考えられては如何でしょうか。また、すでにERA検査を実施されているので、ホルモン補充胚移植から自然周期胚移植への変更は少なからず抵抗感があることも事実ですが、自然周期での融解胚移植などといった移植方法の見直しも一つの方法かもしれません。
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