心がけたのは、ポジティブ思考の不妊治療

心がけたのは、ポジティブ思考の不妊治療
明るく楽しい治療を目指し、ポイント制で自分にご褒美をあげました!
自然妊娠は難しい、と医師から告げられたあやのさん。つらくなりがちな不妊治療をポジティブに捉えられるように工夫した、„あやの流ポジティブ不妊治療"は、妊活中の皆さんのヒントになるかもしれません。

動画を観るとさらに前向きに!⇒

自覚症状がないのに、子宮内膜症と診断され……

国際交流会であやのさん(36歳)に出会ったセバスチャンさん(38歳)は、「絶対に、この人と結婚する」と直感。初対面では「眼中になかった(笑)」あやのさんですが、LINEを交換してお好み焼きデートに行ったことをきっかけに、交際に発展したそうです。

「私はネガティブ思考だったけど、彼はすごくポジティブな人だから私にいい影響を与えてくれて。いい意味で日本人っぽくなくてサプライズ好き。一緒にいて楽しいし、きっと、合うはず!!って思いました」

入籍は2019年4月。翌年に大好きなハワイで結婚式を挙げ、妊活をスタートさせた二人ですが、なかなか妊娠することができません。そんなある日、予想外の出来事があやのさんを襲いました。

「突然ものすごくお腹が痛くなって、救急車で病院に運ばれたんです。便秘かなって思っていたのに診断はまさかの子宮内膜症。生理痛など自覚症状はまったくなかったので、本当にびっくりしました」

3カ月のホルモン治療後に行った手術で癒着が見つかり、術中にできるかぎり切除したものの卵管のダメージは想像以上。主治医に「自然妊娠は難しい」と言われて、あやのさんはショックを受けます。セバスチャンさんはその時の心境を「命にかかわる病気じゃないとわかって安心したし、子どもを望めないとしても彼女さえいてくれればいい、というのが正直な気持ちでした」と語ってくれました。

10ポイントで高級ケーキ!ご褒美作戦で楽しく治療

地元のレディースクリニックを受診して経緯を話したところ、専門クリニックへ行くことをすすめられたあやのさん。そこでも合併症のリスクがあるからと治療を断られ、大学病院を紹介されました。

「治療は最初から体外受精。ちょうどコロナが始まった頃だったから、基本的に通院も受診も一人で頑張らないといけない状態でした」

車で片道1時間の距離にある大学病院での治療は、あやのさんの体と心に大きな負担がかかります。セバスチャンさんはなるべく通院の送迎をするなど、あやのさんのサポートを心がけました。

「不妊治療はどうしても女性が主体です。大変な思いをさせているのはわかっていても直接できることはほとんどないので、とにかくできることをやろうと思いました」

自己注射で通院回数を減らすことはできましたが、打つ回数の多さはどうすることもできません。そこで、編み出したのがポジティブ思考の不妊治療。「注射1本につき1ポイント、10ポイント貯まれば彼に高級ケーキを買ってきてもらうというポイントシステムを作ったんです。常に自分にご褒美をあげることで、楽しく治療に取り組めるようにしたんです」

自然妊娠をかなえた心と体のリフレッシュ期間

初めての採卵で採れた卵は5個。ネットなどで10個、20個採卵できたというコメントを目にしていたあやのさんは、数の少なさに意気消沈し、担当してくれた看護師さんに「もうつらいです……」と泣きながら訴えました。それでも頑張って2回目にトライするも、医師の言葉は「状態の良くない卵子が多い」。1年半の治療で採卵2回、体外受精と移植は3回行い、一度は妊娠できたものの途中で細胞分裂が止まり、流産を経験しました。

明るくポジティブな治療を目指していても結果が出ず、徐々に気持ちが折れていったあやのさん。セバスチャンさんに相談しないまま、治療を中断してしまいました。「治療のことは一切考えずにとにかく好きなことだけをしようと思い、半年間いっぱい遊びました」

心と体をリフレッシュさせたあやのさんは、「また、頑張ってみようかな」と前向きな気持ちを取り戻します。そして、3回目の採卵に向けて通院予約を考えていた矢先、奇跡が起こりました。

「ダメ元でタイミングをとってみたら、自然妊娠できたんです。検査キットの結果を見ても信じられなくて、まさに超ウルトラスーパーハッピー!! さっそく主人へのサプライズ計画を考えました」

検査スティックを箱に入れ、仕事から帰宅したセバスチャンさんに「サプライズ!」と手渡しした4月19日。特別な記念日でもない日の突然のプレゼントに、セバスチャンさんは「まったく予測できていなくて、中を見ても最初は意味がわからなかったんです。妊娠したよって彼女が言ってくれて、本当に嬉しかったです」。あやのさん流のサプライズは大成功。何よりも大切な記念日になりました。

愛おしさが増して、ご主人の優先度にも変化が

個人で英会話コミュニティを運営していたあやのさんは、不正出血など妊娠初期はさまざまなトラブルに悩まされ、仕事との両立に葛藤。「こんなに仕事していいのかなって……。でも、安定期に入るまではヨーグルトとりんごで乗り切って、ようやく生徒さんたちに妊娠の報告ができてからは楽しく仕事ができるようになりました」

県外の実家に里帰り出産で帰っていたあやのさんが、ついに迎えた出産の日。陣痛の報告を受けて、セバスチャンさんも急いで病院に向かいました。「エコーの写真を見てお腹にいることはわかっていても、なかなか実感が湧かなかったし、出産に立ち会ってもまだ信じられないような感覚でした。でも、二人が家に戻ってくると、もっと一緒にいたいと思うようになったんです。優先度が明らかに変わったし、愛しいという思いがどんどん大きくなりました」。

たくさんの笑顔に包まれて元気に生まれてきてくれた待望の長女。ハワイの言葉に由来して 「輝いて、自由に生きてほしい」という思いを名前に込めました。

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セバスチャンさんのジネコ活用法

あやのさんの子宮内膜症が発覚した時、何かサポートできないかとネットを検索していて、ジネコのサイトにたどり着きました。女性特有の病気で自分には知識がなかったので、ドクターの記事がとても役に立ちました。不妊治療の進め方なども参考になりました。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。