アリスアリスさん(42歳)
今年から二人目妊活を始めました。
一度生理が来ない月があり婦人科を受診した際、「卵巣の機能が年齢より悪い。妊娠は難しい」との診断でした。
病院移り治療を開始。
閉経が近いかもしれないと急ぎ、アンタゴニスト法で採卵の機会をみていました。
13mmで一つ排卵してしまい、育ちはゆっくりながら後2つ卵胞が育っているようでしたが、それも翌日に排卵してしまいました。
先生いわく「保険適用の薬を最大量使っているが、排卵を抑制できない」とのことでした。
これは閉経が近いサインなのでしょうか? 何かまだできることはあるのでしょうか?
奇跡を諦めることができず葛藤しています。
藤本先生に聞いてきました。
【医師監修】さっぽろARTクリニックn24 藤本 尚先生
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、臨床細胞学会細胞診専門医。札幌医科大学産婦人科、神谷レディースクリニック 副院長を経て、医療法人社団 さっぽろARTクリニック開院し理事長に就任。2019年5月 医療法人社団 さっぽろARTクリニックn24開院。
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AMHが0.05ということは、 なかなか多くの卵子の発育を期待できない状況であること、別の言い方をすると、AMH:0.05であると、排卵誘発をしても1~ 2個の卵胞発育となる可能性が高いことになります。また卵巣機能が低下してくると場合によっては卵が発育してきても 十分な大きさになる前に排卵してしまう傾向にあります。
今回、アリスアリスさんがおっしゃっている「保険適用の薬を最大量使っているが、排卵を抑制できない」 ということがイコール閉経が近いということではありませんが、AMHが0. 05という状況は42歳の年齢としては低い数字なので排卵誘発で多くの卵子を確保できにくい状況と考えられます。
卵巣機能とは、卵巣の中の卵子のストック(残量)のことです。
卵子は出生時に最大で以降減少していきます。そして卵巣の中の卵子のストックがなくなると閉経になります。卵子を人からもらったり、薬で増やしたりすることはできません。そのため厳密な意味での卵巣機能を回復することはできません。
卵巣機能に余力のある場合には比較的どんな方法でも卵子を育てる ことはできますが、卵巣機能が低下してくると、 しっかりFSHなどのホルモンをコントロールしながらの排卵誘発をしないと卵子が育ちにくくなります。
皆にこの方法が良いというのはありませんが、大事なのは、うまくいかなかった結果を踏まえてそれを生かして次の誘発を考える必要があります。
薬や注射の反応、卵子の発育は個々人によって異なるからです。
決して卵子が全く取れないということではないので、年齢を考えれば43歳までは3回の胚移植を保険適用で行うことが できますので、まずは保険適用で体外受精が行える42歳のうちは諦めずに頑張ってみるといいのかなと考えます。
決して卵子が全く取れないということではないので、年齢を考えれば43歳までは3回の胚移植を保険適用で行うことが
43歳になると保険の回数が残っていても保険で体外受精を行うこ とができなくなるので、 治療経過の中で43歳になった際には一度立ち止まって治療の継続の有無を考えてみるといいかもしれません。