今ある凍結卵を移植するか、さらに採卵するべきか、迷っています
年齢の割に採卵できる卵子の数は多いようですが、その先がなかなかうまくいかないようです。
生田先生●1回目の体外受精で4BB と4CB を移植して、2回目の採卵でも4BB を1個凍結したということですが、グレード自体は悪くはないと思います。問題は、年齢的なこともあり、染色体異常の胚がどの程度含まれているかということです。
年齢が上がると妊娠しにくくなるのは、卵細胞の劣化が起こるからです。染色体異常といっても、最初から異常があるわけではありません。排卵現象の開始から2回、染色体が分離しないといけないので、年齢が上がるとその力が弱まってくることで染色体異常が出てくるわけです。
PGT -Aについても、行ったほうが良いかどうか迷われています。
生田先生●染色体をどうしても知りたいのであればPGT -A(着床前胚染色体異数性検査)をすることになりますが、保険は使えないので費用は高額になります。
40歳以上の方に関しては、確かにPGT -A をしたほうが妊娠率は高くなる、というデータはあります。ただそれは、検査できる受精卵がある程度あるなかで、結果的に正常な胚が得られれば、それを移植した時の妊娠率は高いということです。年齢的に胚盤胞の2/3 は染色体異常があるというデータがあり、一つも移植できなくても高額な費用を払わなくてはいけない可能性もあるわけです。
治療を開始した時期がわからないのでなんとも言えませんが、39歳までに始めていれば6回目の胚移植まで保険が適用されますが、40歳以上で始めた場合は3回しか適用されません。まだ保険が使えるなら、今ある4BB の凍結卵を早めに移植するのもひとつの方法です。保険を使い切っていて、次回から全部自費ということで金銭的に余裕があるなら、新たに採卵してPGT -A をするのももう一つの方法ですが、検査できる受精卵が少ない場合、先ほどお話ししたようなリスクもあります。
先生でしたら、どのような治療をおすすめされるでしょうか。
生田先生● 年齢的にも微妙なラインなので、今ある凍結卵を早めに移植するのが良いのではないでしょうか。4BB の胚盤胞ができているのであれば、妊娠する可能性はあると思います。