【Q&A】体外受精6回目に向けて~丸田先生【医師監修】

Sakiさん(37歳)

今まで採卵1回、ホルモン補充で良好胚の移植を5回しましたが、PRPを注入した4回目のみ化学流産で、それ以外はかすりもしませんでした。残りの凍結胚盤胞は6日目4ABのみです。次回は採卵して初期胚と胚盤胞の凍結を目指し、自然周期の2段階移植を試みる提案をいただいています。

質問は4点ございます。

①全て良好胚だったので、PGT-Aをすべきでしょうか?その場合、夫婦染色体検査を事前にすべきでしょうか?この検査がなくてもPGT-Aは可能と聞いており、早く治療を進めたい気持ちがあるため、染色体検査は不要であればやらずに進めたいと思っています。

② ホルモン補充での移植しか経験がないのですが、次回の採卵は一度子宮を休ませる方が良いのでしょうか。

③卵管水腫の疑いで、卵管切除すべきでしょうか。

④それ以外にできる検査、または施術はありますでしょうか。

丸田先生に聞いてきました

まるたARTクリニック(丸田 英 先生)

久留米大学医学部卒業。名古屋大学医学部附属病院 産婦人科を経て、2012年3月より生殖医療専門。2020年3月、まるたARTクリニックを開業。初診から治療終了まで同じ医師が担当することにより、効率的で高い成功率が得られ、何より患者さまの安心へと繋がると考え、診療に臨んでいる。「どんな時も患者さま第一、患者さまご自身の一瞬一瞬を大切に」を目標に掲げ、不妊治療と仕事の両立に理解ある治療スケジュールを導入。また、PRP療法などの最新治療や無料託児所完備等、不妊治療の環境向上にも積極的に取り組んでいる。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
1 確かにPGT-Aは治療の選択肢になり得ると思います。しかしながら良好胚盤胞を凍結出来ているので移植を継続していけば必ず正常胚に当たるはずです。(もうすでに当たっているかもしれません)ただ、ご夫婦の染色体の検査はこの経過より必要性は高いと思います。もしご夫婦の染色体に構造異常などがあれば治療の方針は変わり得ます。今後の治療計画のためにもご検討されては如何でしょうか。
2 「子宮を休ませる」という表現がありますが、実際に月経が来る女性は常に子宮は働いています。移植をせずに治療に間を空けても空けなくても妊娠率は変わらないと思います。
3 程度により水腫切除を検討することがあります。また、いろいろな検査をして最終的に水腫だけが問題として残る場合、水腫を切除することもあります。実際、これまでの経過が嘘のように水腫切除後に着床することはしばしば経験します。ただ、FTを行った実績から水腫の可能性は低く、またあったとしても軽度水腫ではないかと思います。
4 移植の方法を変える事が簡単で妊娠率の上昇が期待できます。ホルモン補充ではなく自然周期で移植することを検討してはいかがでしょうか?私もホルモン補充で繰り返し失敗した患者さんが自然周期で移植したとたん妊娠するケースはよくあります。また2個移植や2段階移植なども検討の余地はあるかもしれません。再検ではネオセルフ抗体検査という新しい不育症、反復着床不成功の方に行う検査もあります。またGM-CSF培養液を使った移植法が国内の施設で効果があることが次々と発表されています。このような新しい試みを主治医に相談されては如何でしょうか?
失敗したことを繰り返すより失敗した事より次に何を変えるべきかを考えたほうが妊娠率は上がります。ご健闘を祈っています。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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