刺激をしても有効な卵胞が育ってくれません…
あんずさんは、ゴナールエフRで刺激すると卵巣が疲弊して機能が落ちるのではないかと心配されているようです…。
福田先生●ゴナールエフRの影響で卵巣が疲弊するとはいい難いです。ただ、薬の力を使っていつも以上に卵胞を成長させるため、時として次周期に向けてリセットするのに時間がかかる可能性があります。そう考えると、ゴナールエフRを使った後の周期は、発育しづらいと感じることがあるかもしれません。
排卵誘発剤をたくさん使っても卵胞が発育しないのはどんな理由が考えられますか。
福田先生●あんずさんの場合は、ゴナールエフRなどの排卵誘発剤の注射をしても、卵巣が反応しづらい傾向にあるため、有効な卵胞が育ちづらいのではないかと思われます。AMH が低いことも理由の一つと考えられます。
半年間有効な卵胞が育たない場合、自力で排卵させるのは不可能ですか。
福田先生●そうですね。自力で排卵できる可能性は低いでしょう。卵巣刺激をして育つ卵子が1~2個なら、育ちやすい状態にホルモンバランスを整えて、刺激をしないでどのくらい卵胞が育つかを待ってみるのもありだと思います。
「IVA 手術」とはどんな手術ですか。
福田先生● IVA 手術は、もともと早発閉経や卵巣機能不全の方向けの治療です。卵胞は、卵巣の表面の皮の部分にありますが、その皮の部分を切り取って体外に出し、培養液に浸けます。一定時間が経過した後にその袋を体内に戻すと、発育が良くなるといわれています。たとえると、休眠している卵胞を切り取ることで揺すって起こすイメージです。ただ、現時点でIVA手術を行う医療施設が限られているのと(ちなみに当院はIVA 手術はやっていません)、自費診療になるため、患者さんに費用面で負担がかかるという特徴があります。
IVA 手術以外ではどんな治療法がありますか。
福田先生●ホルモンバランスを整えて卵胞が育ちやすい環境にしていく治療法があります。まずは血液検査でFSH、LH、エストロゲン、などホルモンの値を確認。たとえばFSH が高いようであれば下げる治療をして、自然と卵胞が育つのを待ってみるのもいいでしょう。ただ自然に排卵すると困るので、クロミッドRを服用しながら治療するという方法もあります。いろいろとやり方はあるので、主治医に相談しながら治療をすすめてみてくださいね。