【Q&A】30歳前半でグレードのよい胚盤胞を移植しても着床しない~北村先生

ウサコさん (31歳)
2021年1月?2022年1月 タイミング法
2022年2月 大学病院に通院
2022年4月 子宮鏡検査→若干赤みがあり子宮内膜炎所見→ビブラマイシン2週間服用。小さなポリープもあるとのことでした
が、着床の妨げにはならなそうとのこと。
2022年6月 アンタゴニスト法にて採卵(10個採卵でき3個凍結胚盤胞)
2022/7 子宮鏡検査→少し赤みがあるとのことだったので、念のため再度ビブラマイシン2週間服用。
2022/8 ホルモン補充にて胚移植→hcg0.0陰性
2022/10 ホルモン補充周期にて胚移植→陰性
2022/12 転院し自然周期で採卵し1個とれるが異常受精し凍結できず
2023/2 顕微授精(IMSI) 3個とれ、2個凍結胚盤胞
2023/3 フェマーラを5日間服用し移植→着床せず
初めまして。
4AAの胚盤胞を3回移植しましたがhgc0.0で着床しませんでした。
2回の移植は大学病院でアンタゴニスト法で採卵し、ホルモン補充にて移植を行い、3回目は成績の良いクリニックに転院し低刺激で採卵、自然周期で移植しました。
以前子宮鏡検査を行い、子宮内膜炎所見の疑いとのことだったのでビブラマイシン2週間を2周期服用し治しております。
EMA.ERA.ALICE.CD138検査以外の着床不全検査は行っており、問題ありませんでした。
ERAとCD138検査をやってみたいと医師に伝えましたが、現時点では必要ないと思うので、もう1回自然周期で移植しましょうとのことでした。
もう1つ4AAの凍結胚が残っていますが、このまま検査せず同じ方法で進めて着床するのか不安です。
また、移植日のE2値が低いのも気になっておりますが、医師によると問題ないとのことでしたが、こちらが原因の可能性はありますでしょうか?(内膜10mm程でした)
移植6日前 E2 236pg/ml P4 0,5ng/ml
移植日 E2 42pg/ml P4 22ng/ml
長くなってしまい申し訳ございません。

北村 誠司 先生に聞いてみました。

明大前アートクリニック 北村 誠司 先生
1987年慶應義塾大学医学部卒業。2008年荻窪病院虹クリニックを開設。退職後、2018年明大前アートクリニックを開設。1989年からIVF及び内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消、改善を積極的に図って来ました。体外受精での妊娠困難症例に対しても新しい治療法を取り入れています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
IMSI とは、強拡大顕微鏡を用いて形態良好精子を選別し、顕微授精をおこなう方法です。
対象は、受精しない、良好胚が出来ない、あるいは奇形精子が多い等の精子所見が不良のケースになります。
胚移植時のE2値は、自然排卵周期で100pg/ml 以上が目安となりますが、フェマーラを飲む周期だとE2が低値になるので子宮内膜の厚みを目安にするのが良いかもしれません。

子宮内膜炎がある場合、ビブラマイシンが効かない場合もあるので着床し難い際は、CD138の検査は必要と思います。

ERA/子宮内細菌叢検査(子宮内フローラ検査やEMMA/ALICE)/CD138をやって、あとはPGT-Aを検討することをお勧めします。

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