【Q&A】このまま治療を続けて妊娠成立するのか。~貝嶋先生

まりかさん(40歳)

一年半前から、体外受精を始めています。
いままで2つのクリニックで、6回採卵をしています。高刺激で10個前後採卵できるのですが、受精をして育つのが1-3個のみです。
以前にPGT検査を3個の受精卵で行いましたが、全て染色体異常でした。
先日13個採卵でき、10個受精しましたが、胚盤胞まで育ったのは1個のみでした。

子供は欲しいのですが、金銭面、年齢や今までの結果を考えるとこのまま治療を続けても妊娠できるか不安です。

また2ー3年前頃より月経量が減り、5日間程度だった出血が今は2-3日で終わったしまいます。

貝嶋先生にお聞きしました。

<みなとみらい夢クリニック 貝嶋先生>
1987年島根医科大学医学部卒業。2007年加藤レディスクリニック副院長に就任。2008年2月に不妊治療施設としてみなとみらい夢クリニックを開院。体への負担が少なく、患者さまが自然に近い治療を、安心して受けられるようにすることをスタッフ一丸となって努める。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

40歳を超えてくるとPGT-Aでの正倍数性胚を得るのに6個程の胚盤胞が必要である等のdataはありますが、個人差がかなり出ます。
しかも同一周期で2個以上の正常胚を得られる確率はかなり低く、結局たくさん卵子をとっても今迄の結果でも分かるようにうまくいきません。

逆の発想になるのですが、本来あなたの毎月自然に排卵する卵子は1個です。
自然に身体がセレクトしたその卵子が、基本的には一番良好な卵子に近いはずです。
ですから高刺激ではなく低刺激、もしくは自然周期の治療法で得られた卵子でトライされることも良いかもしれません。
また、本当に胚盤胞まで培養する必要があるのかどうかについてです。
自然周期の場合において初期胚での妊娠率は、胚盤胞での妊娠率に胚盤胞の発生率を換算すると変わらない、もしくは初期胚の方が高くなる場合もあります。
近年月経量が減っているのは、月経量は卵胞の発育に伴う子宮内膜の厚さによって決まるので、治療の影響やホルモン剤等を使っていると変化はありますが、詳細は不明です。
基本的に卵巣機能が低下してくるとそのような症状が出てくることもあります。
2022年4月から保険が始まり、金銭的にも負担は軽減されていると思いますが、思い切って違う治療法を選択するのもいいかもしれません。
>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。本サイトの全ての記事は医師監修です。