5つできた胚盤胞、どのように胚移植を進めるのがベスト?
5個の胚盤胞のグレードについて、先生の所見はいかがですか?
生田先生●8個受精したうち5個が胚盤胞になったというのは、良くできたほうだと思います。一般的には3個に1個が正常な受精卵になるかどうか、という確率ですから。
また、2BBでも悪いことはありません。ただ、2という評価は成長途中で胞胚腔があまり広がっていないという状況ですから、解凍して1日培養してみるといいかもしれません。細胞が分裂して胚胞液が溜まってくれば4にもなるでしょうし、細胞が多ければ4AA になるかもしれません。ただ、CやDの評価が混じっている状態だと細胞が少ないということなので、培養しても難しいとは思いますが、2BBまでは比較的、期待がもてると思います。いずれにしても良い受精卵はできていますので、妊娠する可能性は高いと思いますよ。
2回移植して妊娠に至らなかった場合、3回目は2個移植を希望されていますが、年齢制限が気になるようです。
生田先生●胚移植は、35歳未満は原則1個、35歳以上は1〜2個が目安になっていますが、2回続けて妊娠不成立の場合は年齢にかかわらず2個胚移植も可能です。保険適用前の移植も妊娠に至らずということなので、今回妊娠しなかった場合は、次回で2個移植してもいいのではないかと思います。
2個同時に移植することで、妊娠率は上がるのでしょうか?
生田先生●多少上がります。受精卵の良し悪しは見た目ではわからないので、1個は染色体や遺伝情報に問題があったとしても、もう1個が正常なら妊娠します。ただ、35歳未満の方が「双子でもいいから」と望んでも多胎妊娠のリスクを下げるために、最初から2個移植はできません。1個ずつ2回移植してみて、それでも妊娠に至らない時は2個でも、ということですね。
先生でしたら、今後の治療はどのように進めていかれますか。
生田先生●もう1個の3AA を移植してみて、結果が出なければ2AA と2BBの凍結胚を同時に解凍して1日培養してみます。通常より1日ずらして4日目に解凍して5日目まで培養して、いい感じに膨らんできたら移植をする。そこまでやっても結果が出なければもう一度採卵ということになりますが、すでに良い胚盤胞があるのであまり心配しすぎず、より良い精神状態で治療に望むことも大事だと思いますよ。