【Q&A】着床しない~吉川先生

じょさん(39歳)

胚盤胞を5回移植しても着床せず、妊娠しません。
一人目は1回で妊娠したのに…。

津田沼IVFクリニックの吉川守先生に伺いました。

吉川 守 先生(津田沼IVFクリニック)
1991年山梨医科大学(現・山梨大学)卒業。亀田総合病院、船橋二和病院、セントマーガレット病院、山王病院などを経て、2010年11月I津田沼IVFクリニックを開設。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

・第一子は1回目の移植で妊娠しても、二人目以降で妊娠が難しくなるのは、どのような原因があるのでしょうか?

子宮は、手術、流産、分娩などにより、子宮内環境が大きく変わることがあります。

また、体重増加などの母体の体調変化によっても変わります。
体重65kgは第1子妊娠時と比較して如何でしょうか?
もし、かなり増加しているようでしたら着床の妨げになる恐れがあり、減量が効果的なことがあります。
分娩により、子宮内環境が変わるなどのために、妊娠しづらくなることはよくあります。

子宮内膜が菲薄化したり、癒着したり、慢性子宮内膜炎が発症したり、更には、子宮内膜ポリープや子宮筋腫などの新たな病気の発生、「着床の窓」のずれ、血液凝固因子の変化、ビタミンDなどの不足などが起こることがあります。

・子宮頸がん異形成の手術は不妊の原因になると思われますか?

体外受精・顕微授精や人工授精では、不妊の原因にならないと思います。

・これまでに5回移植して陰性だったという患者さんに対して、先生なら次にどのような検査や治療を提案されますか?

子宮内膜ポリープや子宮筋腫、慢性子宮内膜炎、子宮内膜の菲薄化・癒着などを調べるために、子宮内視鏡検査やCD138検査をご提案します。

「着床の窓」のずれは子宮内膜胚受容能検査、他に子宮内フローラ検査や血液凝固因子・ビタミンD検査などもご提案します。

・その他、何かアドバイスがあればお願いします。

複数胚移植や、再度の採卵・顕微授精をいう方法もあります。
顕微授精でお子さまを授かった「じょ」様でしたら、次のことにご共感をいただけるのではないでしょうか。
「胚は命、人間です。赤ちゃんです。」
1個1個の胚に思いを込め、1回1回の胚移植不成功の原因を可能な限り徹底的に究明・解決していきましょう。

それは生まれてこれなかった胚の、次の胚「弟や妹」へのメッセージです。
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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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