妊活を始めてからでは遅い!?検診で自分の体に向き合う

妊活を始めてみたら不妊にかかわる病気が見つかった…。「いつか赤ちゃんが欲しい」という人は、早めに婦人科検診を受け、妊娠への準備を整えておきたいものです。必要な検査などについて、秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生に詳しいお話を伺いました。

秋山レディースクリニック 秋山 芳晃 先生 東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。

妊活を始める前に受けるべき検査はありますか?

婦人科検診をしっかり受けていただき、子宮内膜症子宮筋腫、卵巣囊腫などの病気がないかチェックしておきましょう。これらの疾患があると将来、妊娠しにくい体の原因となっていくことがあります。子宮筋腫や卵巣囊腫があった場合、妊娠前に治療が必要となる可能性があるので、できれば早めに検査をして必要であれば経過観察をしていきます。

また、子宮内膜症があっても事前に低用量ピルや黄体ホルモン製剤による治療を行っておけば、いざ妊娠という時でも条件が悪くなっているということを避けることができます。

上記の病気がある方は将来の妊娠をふまえて、主治医と管理の仕方を相談しておくといいでしょう。

さらに子宮頸がん検診も受けておきたい検査の一つ。検診で経過観察、あるいは精密検査が必要な異常が見つかると妊娠が許可されるまで時間がかかってしまうことがあるので、これも妊活前にチェックを。がんに加え、クラミジアや淋菌など、将来の不妊症の原因となる感染症の有無を確認しておくことも大切です。

ほかに妊娠中に感染すると赤ちゃんに奇形を起こすことがある風疹についてもその抗体を調べておくことをおすすめします。抗体が少なければワクチン接種を受けましょう。さらに女性に多い甲状腺の病気も妊娠を妨げる要因になるので、これも調べておくと安心です。

最近では歯周病が妊娠経過に悪影響を及ぼすことが明らかになってきています。定期的な歯科検診を受けて歯周病予防にも努めましょう。

検診はどこで受けることができますか?

妊娠にかかわってくるような検診は一般的な婦人科クリニックで受けることができます。当院でも実施していますが、結婚前に確認しておいたほうがいい検査を組み合わせたブライダル健診のようなものを利用されてもいいでしょう。

子宮頸がん検診などは自治体や職場で行っているところもあります。最近は企業も働く女性のヘルスケアに関して意識が高まってきているので、お勤めの職場で受けられるというケースも増えてきているかと思います。

特定の病気が見つかり、定期検診が必要な場合を除き、少なくとも1~2年に1回くらいの頻度で検診を受けられたほうがいいでしょう。たとえば自分の誕生月とか、職場の健康診断があった月などのタイミングで受けられると定期化しやすいかと思います。

一般的な婦人科検診は、子宮の入り口付近をこすって細胞を採る子宮頸がん検診、腟から超音波プローブという細い器具を入れて行う超音波検診がおもなものになります。

検査の詳しい方法や痛みの有無は?

性交渉の経験がある方であれば強い痛みを伴うことはありませんが、もともと腟が狭く広がりにくい、緊張が強いといった理由で多少の痛みを感じる方もいらっしゃいます。

婦人科の診察が初めてであるとか、初めてではないけれど苦手という方は診察につくスタッフがサポートしてくれるはずです。不安があったら診察前に遠慮なく伝えましょう。

検診は自分の体と向き合ういい機会でもあります

将来の妊娠や出産に向けた準備として、妊娠の妨げや妊娠中のトラブルとなる要因を見つけて、早めに対処しておくことは非常に重要なことだと思います。

禁煙や体重コントロールなど基本的な健康管理に加え、ぜひ婦人科検診を定期的に受けて、妊娠しやすい下地をつくっておきましょう。検診は自分の体と向き合うきっかけにもなると思います。

自宅でできる郵送検査キットとは?

郵送検査キットは婦人科の診察に抵抗がある人には、手軽でハードルの低い検査法。スクリーニング検査としてはおすすめですが、疑わしい結果が出たら必ず婦人科の受診をしてください。また、子宮頸がんの自己検査は細胞がきちんと採れないケースも多いので、あまり推奨されていません。キットを選ぶ際には、何かあった時に紹介してもらえる医療機関と提携しているなど、信頼できるメーカーのものかどうかもチェックしましょう。

非常に便利ではありますが、病院で医師が行う検査に比べて精度が落ちるといわれていますので、本来であれば病院でしっかりと受けていただくことが望ましいと思います。

●性感染症チェック

クラミジアや淋菌など性感染症が調べられます。検査キットが送られてきたら、自宅で性器やうがい液から検体を採取。検体を送るとスマホに送られてきたメールや、メーカーのホームページで結果を知ることができます。

●子宮頸がんチェック

妊娠中、生理中以外の時期に綿棒状のもので子宮頸部の細胞をこするようにして採取。検体を送って結果を待ちます。インターネット上のほか、異常が疑われる場合は電話で詳しく結果を説明してくれる場合もあります。

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全記事、不妊治療専門医による医師監修

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