保険診療では夫婦での来院が必須?

保険診療にまつわる 疑問・悩みにお答えします!始まったばかりでわからないことが多い保険診療。

編集部にもたくさんの疑問・質問の声が届いています。

その中からピックアップして  ドクターたちにお答えいただきました。

主人が妊活の治療を受けるのは嫌みたいで、不妊治療には協力してくれません。保険診療では夫婦での来院が必須とのことですが、どうしたらよいでしょうか。
うつのみやレディースクリニック 宇都宮 智子 先生 和歌山県立医大附属病院で体外受精などの不妊治療と研究に従事。2010年11月に「うつのみやレディースクリニック」を開院。一般不妊治療から高度生殖医療までを行う。開院以来、訪れる患者様が一日でも早く赤ちゃんを抱けるように、スタッフ一丸となって治療を行っている。2021年から「認定がん・生殖医療施設」として、 “妊よう性温存治療”にも力を入れている。

妊活の前にしておきたい二人の「思い」のすりあわせ

カップル同伴で来院してもらう理由はいくつかあります。一つは、それぞれに必要な検査を行うため。もう
一つは、検査結果や治療歴などをトータルにみて、その人に合った治療プランを提案するためです。そこで
大切なのは、二人の治療への思いを知ることです。たとえば、すでに人工授精に進んでいる人であれば、治
療の回数やその後の体外受精のことなど、二人の「これから」についてうかがいます。この時に、二人の思い
が同じであれば、具体的な方向性が決まり、治療が前進しやすくなります。

なかには、女性は治療を希望しても、男性は「奥さんと二人でいたい」「自然にできたらいい」と、それぞ
れの思いが違うこともあります。そういう時は、二人の思いをすりあわせる時間が必要です。時に診察室で
私たちがカップルの話し合いを仲介することもありますが、二人が納得して同じ方向を向くことができれば、
治療は一気にスピードアップします。

ただ、男性がクリニックに来てくれないと、話し合いもできませんよね。治療に協力してくれない男性も少
なからずいます。多くの場合は、「いつか自然にできる」という思いがあるので、自分の気持ちをスルーして、
一人で妊活をはじめてしまう女性を冷ややかに見ているのだと思います。だから、ここでも二人の話し合い
が必要なんですね。

「早く妊活したい」という女性の気持ちもわかります。じつは卵子の数が年々減っていく事実を知っている男性は少ないのです。そういう意味では、女性から男性に理解してもらう工夫や努力が必要かもしれません。よく女性は感覚的で、男性は論理的と言われます。一般の人にもわかりやすい不妊治療の専門書がたくさんあるので、たとえば、本のデータをパートナーに見せて、「私の年齢だと卵子がこんなに減るから、妊活をはじめたいんだけど」と伝えてみるのも一つ。そこでようやく理解できる男性もいると思います。はじめは妊活に関心がなさそうな男性でも、クリニックに来て治療の話を聞いたり、診察の様子を見たりするうちに心の準備ができて、率先して協力してくれることもあります。

妊娠しても出産や育児など、二人の共同作業は続きます。まずは、二人の時間を大切にして、将来に向けた話し合いができる関係をつくっていきましょう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。