将 来 の 自 分 の た め に … 「妊娠する力」を知ろう

いつか子どもを産みたいという思いが少しでもあるなら、女性の体と妊娠について、正しい知識をもつことが大切。将来の自分のために今できる準備には何があるのか、知るのと知らないのとでは何が変わるのか、大島先生に詳しく教えていただきました。

大島クリニック 大島 隆史 先生 自治医科大学卒業。1982 年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3 年間研修後、県内の地域病院の1人医長として4 年間勤務。1992年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999 年、大島クリニックを開設、院長に就任。

20代前半をピークに、妊娠する力が低下

妊娠するための力のことを「妊孕力」と言います。性腺機能や生殖機能、内分泌の働きで変化し、基本的に、妊孕力といえば女性の卵子の妊娠する力を指します。

妊孕力は20代前半をピークに低下する一方ですから、年齢が妊娠するために必要な要素だということがわかりますね。ほかにも、妊孕力低下のケースとしてもっとも多いのは子宮内膜症。若くても生理が終わってしまう早発閉経など卵子の数が極端に少ない人もいますが、なぜそうなるのか原因は今のところ不明です。

妊孕力の指標とされるAMH(抗ミューラー管ホルモン)の数値は、卵巣内にどれだけ卵子が存在しているかを示します。しかし、体外受精以外では保険適用外* なので、「今の状態を知りたい」という段階では費用的に少しハードルが高いかもしれません。その他、生理2〜3日目の卵胞の数を調べる検査もあり、目安となる平均値は20代が20個、30〜35歳は16〜17個、35〜38歳は12〜13個。血液検査で調べるFSH(卵胞刺激ホルモン)の数値は、10以上で卵巣機能の低下を疑います。

将来の妊娠に備え、まずは身近な生理を知る

妊孕力を保ったいわゆる妊娠適齢期は34歳以下ですから、妊娠を希望しているなら早く検査することを推奨します。特に妊活目的の性行為で1年経ってもできなければ妊孕力が低下しているかもしれないという認識をもってスピーディに検査や治療を選択しましょう。

「ちゃんと生理がきているのに、妊娠しないのはなぜ?」と質問されることが多いのですが、生理が順調でも妊娠しないのならば妊孕力の低下を疑いましょう。黄体化未破裂卵胞といって生理様でも実は排卵していない可能性もあります。毎月の生理が果たして本当に正常なものなのか、実は不妊の原因が隠れているのか、まずは身近な生理に意識を向けるのが、将来の備えの第一歩になるでしょう。

妊孕力のピークは20~24 歳で、もっとも高い年齢は22 歳。25~29 歳は4~8%低下、30~34 歳は15~19%低下、35 歳以上の妊孕力はピーク時の半分以下まで低下します。
(生殖医療ガイドラインより)

AMHで卵子の数をチェック

卵巣内にどれだけ卵子が存在しているのかを予測するために指標となるのがAMHの数値。体外受精以外では保険適用外の検査になりますが、ブライダルチェックなどにパッケージされている施設も多いので、いずれ子どもを産みたい(かもしれない)という思いがあれば、なるべく若いうちに検査を受けることをおすすめします。AMH以外では、生理2~3日目の卵胞の数と血液検査でFSH(卵胞刺激ホルモン)を計測するのも有効です。

基礎体温をつけよう!

生理周期と女性ホルモンは密接な関係があり、体温が低い「卵胞期」から体温が上昇する「排卵期」「黄体期」を経て、生理が始まるとまた体温は低くなります。このような体のリズムを知り、排卵できているのかを自分で確認できる方法が、基礎体温の測定です。測定方法は、朝目覚めたらすぐに、婦人用体温計を舌の裏側に当てて検温。体を動かしたり動き回ったりせずに、寝たままの状態で測るのがポイントなので、体温計は枕元に用意しましょう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。