りっきーさん(40歳)
不妊治療を始めて約4年、現在はPGT-Aで治療中です。
最近、生理が不順のため薬でくるようにしています(今まで2回投薬を行いましたが、今回も生理が来ないため投薬を指示されています)。
長年の不妊治療で投薬によるホルモンの状態を整えてきたため、体が不調になっているのだと思っています。
自分としては不順な状態なので自然に順調なサイクルになるまで待ちたいと思っています。
今後の治療としては、凍結胚を検査に出し、正常胚を戻して治療を終わろうと思っています。
前回の刺激でも卵胞が2個しかできず、受精卵が作りにくい状態なので採卵を行うことはもうやめようと思っていて、治療としては戻すのみです。
受精卵があれば、戻すタイミングは多少年齢的に遅くても大丈夫だと聞いたこともあります。
どのように思われますか?
広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。
広島HARTクリニック 向田哲規 先生 高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
このような症例は多く見られ、
ART医療施設が適切に対応していないので路頭に迷うようになっていると感じます。
胚盤胞を融解移植するのであれば、生理不順の治療は必要ないと思われます。
外因性ホルモン剤の投与で適切な子宮内膜を作成可能で、その周期に移植し妊娠に至れば問題ありません。
既に閉経後で卵提供Programで妊娠する女性は若い人からもらった卵を夫の精子と受精させ、その受精卵を戻す場合は上記の外因性ホルモン剤投与での内膜作成で戻し妊娠出産しているので、順調なサイクルに来るのを待つ必要はないし、待つ意味はありません。
重要なのは良い着床環境の十分な厚みのある内膜が出来るか?ですので、良い受精卵があれば、戻すタイミングは本人の希望の時期で問題ないです。
最も重要なのは卵が年齢により老化し、染色体異常が起こることなので受精卵があれば、その点の影響はありません。
それと、今ある凍結胚を融解してPGTして、正常を確認してという操作は受精卵により負担を強いるので、凍結する前にPGTのための胚生検をするのは必要なため行うのですが、既にある凍結胚は融解後移植して子宮に判断してもらうのが適切です。
その施設のARTラボのレベルが低い場合はそれによって生存胚が得られなくなる可能性がありえる、と当方は考えます。
適切な時期に適切な内膜環境を外因性ホルモン剤投与で作り今ある凍結胚を移植し、それで無理なら卵提供Programを考慮するかどうか?です。
究極のART医療を提案できる施設が少ないのが、レベルの低い施設が多いのが問題です。