なかむらレディースクリニックの中村嘉宏先生に医師の立場から教えていただきました。
初めまして。
去年から体外受精をはじめて、採卵をして今年初めての移植をしました。
1回目の移植は化学流産に終わりました。
そして、10日前2回目の移植をしました。
bt10で、妊娠検査薬は真っ白だったので今回は着床もしなかったと思います。
子宮側に問題はなく、旦那の勃起障害でずっとセックスレスで病院で体外受精をしてます。
しかし、不安の方が大きく、保険適用も始まりましたが、私が4ヶ月後の8月には43歳になるので、良くて後2回しか保険適用では体外受精できないと思います。
その後も一応2回分くらいの体外受精の費用は貯めています。
しかし、年齢を考えると、わかっていてもやはり可能性は低いものなのでしょうか?
どうしても子どもがほしく、授かりたいと思ってますが、厳しいのでしょうか?
ネットでは42歳は比較的まだ授かると書かれていたりするので希望は持ちたいのですが、そう言ってる間に43歳になるので、毎日が怖いです。
AMHもさほど悪くなく受精卵も胚盤胞まで到達していますので、どうしてもお子様を望まれるのでしたら、諦める必要はないと思います。42歳、43歳の方は一回あたりの妊娠率はさほど高くないかもしれませんが、我慢強く治療することでまだチャンスはあると思います。
確かに43歳を超えると保険適応ではなくなるのですが、2回分ほど体外受精をする余裕があるのでしたら、是非チャレンジされるべきだと思います。
着床しない、あるいは化学流産に終わってしまう多くの理由は胚側にあります。胚以外の因子として、着床しやすい時期(着床の窓)がずれている場合や慢性子宮内膜炎、子宮内の細菌叢(フローラ)が着床に適していないケースも存在します。そのため、2回胚移植を行って妊娠が成立しない場合は「着床の窓」の時期を確認する、慢性子宮内膜炎がないか、子宮内の細菌叢が適切かを調べるTRIO検査を受けられることをお勧めします。
着床に最適な時期を「着床の窓」といいます。この「着床の窓」の時期を調べる検査がERA検査です。ERA検査では、凍結融解胚移植と同様の方法で子宮内膜を調整し、胚移植にあたる日に、子宮内膜組織を一部採取します。採取した組織を、次世代シークエンサーという機械で分析し、着床に関係する遺伝子の発現パターンを調べます。着床に関係する遺伝子の発現パターンからアルゴリズムを用いていて「着床の窓」の時期を判定します。「着床の窓」がもしずれていたら、その結果にしたがって、胚移植の日を決める、あるいはプロゲステロンの開始時期を変えるなどの対策をとります。また、ERA検査と同じ検体を利用して、子宮内細菌叢(フローラ)を検査するEMMA検査も行えます。これは細菌のDNAをPCR検査で検出する感度の高い検査です。善玉菌と悪玉菌の割合を調べますALICE検査と呼ばれる、慢性子宮内膜炎の起炎菌を同定する検査も同じ検体で、やはりPCR検査を利用して行えます。ERA,EMMA,ALICE検査をまとめてTRIO検査といい同時にできます。この検査の本体は自費ですが、先端医療Aに含まれており、保険診療との併用が可能です。
ただしTRIO検査周期は胚移植などできず、検査で1周期かかりますが、なのかさんの状態では、まず考慮する検査です。
なのかさんの場合は、時間が限られているため、まず、体外受精を行って凍結受精卵を確保し、その後TRIO検査を行い、その結果にそった対策をして胚移植をすれば、妊娠の可能性も上昇すると思います。
この一連の検査・治療は4ヶ月以内に終わることができそうです。
是非一度ご検討してみてください。