【Q&A】4月からの保険適用と今までの助成金について~酒本あい先生

平成18年大阪市立大学卒業。平成23年岡山大学病院 産婦人科医員。平成25年岡山大学大学院医歯薬学研究科 産科・婦人科学教室助教。平成31年三宅医院 生殖医療センター。令和2年三宅医院 生殖医療センター診療部長。患者さんに寄り添った治療を心がけている。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

うーちゃんさん(42歳) 
今まで、県の高度不妊治療助成金を2回受けました。
4月からの保険適用も年齢と回数制限があると思いますが、今まで受けた助成金の回数はクリアして新しく回数分申請ができるのか、それとも今までの回数に上乗せして制限があるのかを知りたいです。
よろしくお願いいたします。

1,4月から保険適用になる治療検査とならない治療検査

→厚生労働省発表参照ください。

 

2,保険適用になる以前に受けた助成金回数

→リセットされ、保険適応になってからの回数でカウントされます。

 

3,保険適用後の不妊治療の進め方

 

9週で臨床流産だったのか、化学流産だったのか不明ですが2回移植し、陰性と化学流産だったならば、反復着床不成功となるため、次回採卵は着床前診断(PGT-A)の適応となります。

保険診療では移植回数(40歳未満は6回、40歳以上は3回)と年齢の制限(43歳まで)があるため、PGT-Aのうえ、妊娠継続可能な胚を選択し移植を行うことは有意義だと考えます。相談者の方はAMHが高いので高刺激を行えば胚も複数得られると思いますが、42歳であればその中で着床可能性のある胚は2-3割であるため、3回の移植回数制限、42歳である期間を有効に使うという意味で着床前診断を勧めたいと思います。

(ただし、9週で胎嚢確認後の流産であれば、着床不成功1回、流産1回のカウントとなるので着床前検査は適応となりません)

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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