なかむらレディースクリニックの中村嘉宏先生に医師の立場から教えていただきました。
なかむらレディースクリニック 中村 嘉宏 先生 大阪市立大学医学部卒業。同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
胚盤胞のグレードは、主にGardner分類という方法で行われます。
※表はVeeck分類です。grade 3がちょうど真ん中のグレードになります。
胚盤胞移植と初期胚では妊娠率には差があります。生命力の強い受精卵が胚盤胞まで達するので当然胚盤胞の方が妊娠率は高くなります。
当院の凍結融解胚移植の成績では、初期胚移植は胚一個あたり、約15%、胚盤胞移植で約40%です。なお、この成績は、患者さんの年齢によってかなり変化します。当院のデータは胚盤胞で平均年齢38歳、初期胚で約39歳でのデータです。はなさんのご年齢ではもう少し高いかもしれません。
胚盤胞移植にするか、初期胚移植にするかですが、年齢やとれる卵子個数によって判断が変わってきます。年齢が高くなると胚盤胞に到達する確率は低下します。
また、体外培養による受精卵へのストレスも、高齢の受精卵となると無視できなくなります。
そのため、当院では43歳以上の方は基本的には初期胚移植を勧めています。
ご年齢が若く、卵子がたくさんとれる方は基本的には胚盤胞移植を勧めています。
なお、若年で卵子もたくさんとれる方であっても、初回の採卵での胚盤胞到達率が低い場合は初期胚移植か、初期胚と胚盤胞に分けて凍結し、胚盤胞から移植していく方法をとっています。