【Q&A】着床前診断と出生前診断について~吉田昌弘 先生

高齢で妊娠した方は、着床前診断や出生前診断についてすべきかどうか、リスクの有無も含め、なかなか決めかねるところですよね。

吉田先生に、そのあたりのお話を聞いてみました。

レディース&A R Tクリニック サンタクルス ザ ニシキタ 吉田昌弘 先生 京都大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、大阪府済生会茨木病院、大阪府済生会野江病院、関西電力病院 産婦人科を歴任。その後、「不妊治療から出産、子育てまで」をコンセプトに、「レディース&マタニティクリニック サンタクルス シュクガワ」など兵庫・大阪に4施設を展開。「お子さんの誕生は当たり前ではなく、まさに‘奇跡’です。出産までに人によってはさまざまな道のりがありますが、そのなかでもお一人でも多くのカップルの奇跡に寄り添いたいと思っています」
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
たまさん(43歳) 体外受精にて正常卵を移植し、妊娠して3ヶ月になります。
高齢出産のため家族から出生前診断を受けて欲しいと言われています。
正常卵を移植した場合でも出生前診断で異常が見つかる可能性はあるのでしょうか?
羊水検査のリスクに流産もあると聞き検査を受けることに心配しています。
誰にも相談することができず、こちらで質問させて頂きました。
お忙しい中に申し訳ありません。ご返答頂けたら幸いです。

出生前診断と着床前診断は倫理的にも賛否がありますが、欧米では通常診療のなかで行われています。遺伝カウンセラーのいるところで、どのような検査の種類があるのか、またどこまでわかって何がわからないのか、ということを明確にする必要があります。

今回の質問者様は、すでに妊娠されているとのことですが、着床前診断PGT-Aに関しては、モザイクの問題、安全性の問題等が指摘されています。

検査には大きくスクリーニング検査と確定診断があります。スクリーニング検査はリスクはありませんが、100%の結果でなく、パーセントで出てきます。

■スクリーニング検査

・新型出生前診断(11週)

・OSCAR(コンバインドテストとの名称もあり)(12週)

・クワトロテスト(16週)

■確定診断

・絨毛検査(12週)

・羊水検査(16週)

まずはリスクのないスクリーニング検査、NIPT やOSCAR を受けてみられたらいかがでしょうか?その結果で確定診断を検討されてみてください。

ちなみに当院ではすべての検査ができます。

検査内容は非常に多種にわたり、ネット情報もあまりにありすぎてわかりにくいと思います。まずは早期にカウンセリングを受け、何を選択するか相談したほうがいいでしょう。
検査には週数が決まっているので、できるだけ早期をお勧めします。

参考/吉田先生の出生前診断に関する取材記事

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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