【Q&A】難治性細菌性膣症 ~五十嵐先生

妊娠しても育たない、慢性子宮内膜症を繰り返してしまう・・・。

どうすればよいのか、悩んでる方も多いのでは・・・。

五十嵐先生に、聞いてみました。

 

いがらしクリニック 五十嵐俊夫先生 1985年埼玉医科大学医科大学卒業、日本産婦人科入局。 1993 年、日本医科大学大学院修了(医学博士号取得)。日本医 科大学千葉北総病院を経て、2001年より現職。一般不妊治療か ら高度生殖医療まで不妊治療を中心に、生理や更年期に関する不 調など、産婦人科全般の診察で女性の一生をサポート
葉っぱさん( 37歳) 今年の3月に21週で子宮頸管炎から陣痛→破水して死産しております。
死産後、子宮鏡検査をするため大学の不妊治療外来に通っています。
子宮鏡検査前に細菌性膣症と言われ、膣錠を使用。あまり治っていなかったですが次の生理後に子宮鏡検査を行いました。
慢性子宮内膜症と診断され、抗生物質を服用し、二回目の子宮鏡検査を行いましたが、少し改善した程度で少しポリープは残ってました。
けれど少しだったのでもう一度薬を飲むなどはせず、再度、おりもの検査。細菌性膣症が再発しており、今度は飲み薬の抗生物質を飲んで少し改善(ガードネラ菌+3、ラクトバチルス+2)、その後一回タイミング法を実施しました。
抗生物質を飲んでいた頃から膣が痒くなっており、再度、おりもの検査したところガードネラ菌とマイコプラズマ、それ以外の菌4種出てました。
担当医から難治性細菌性膣症が再発していると言われ、次もまた死産や流産の可能性もあるが抗菌剤をこれ以上使わず(耐性がついてしまうため)、このままタイミング法で妊活するよう言われてます。
また同じこと繰り返してあの絶望を味わうのは怖いです。
前回の妊娠でも8ヶ月かかり中々、妊娠しにくい身体であるかなとも思ってます。

葉っぱさんは前回妊娠中に、細菌性腟症の上行感染により子宮頸管炎が発症し、さらに絨毛膜羊膜炎を起こしたため、破水して死産になったのですね。

細菌性腟症は、腟内の乳酸菌が減少してカンジダ、トリコモナス、淋菌などの特定の原因微生物以外の種々の菌が異常増殖した病的状態です。

約半数は無症状で、局所所見では帯下以外に明らかな炎症所見がないことから腟炎ではなく「腟症」といわれます。

細菌性腟症は完治していないようですが、現在は次の妊娠を目指し不妊治療中です。

そして子宮鏡検査で、慢性子宮内膜炎と診断され、治療後も子宮内膜にマイクロポリープが残っている状態と思われます。

不妊症や流早産の原因としては、細菌性腟症より慢性子宮内膜炎がより関連性が高いと考えられます。

したがって、今は細菌性腟症を完治させることより慢性子宮内膜炎の精査・治療を優先させるべきだと思います。

慢性子宮内膜炎の診断は、子宮鏡だけでは不正確なので子宮内膜組織検査(CD-138染色)を行ってください。

当院では、この検査で慢性子宮内膜炎陽性ならビブラマイシンを1日2錠14日間内服してもらいます。

再検査でCD-138陽性形質細胞が基準以下になるまで、次々と抗生物質を使い、慢性子宮内膜炎を完治させます。

しかし抗生物質の治療により、子宮内の善玉菌が減っていないか心配なら、さらに子宮内フローラやEMMA検査で子宮内の細菌を遺伝子検査します。

子宮内腔の善玉菌が90%以下では、妊娠率、生児獲得率が下がると言われているからです。

もしラクトバチルスの割合が少ない場合は、ラクトバチルスやラクトフェリンの坐薬や内服サプリメントで補い、万全を期して妊活を再開しましょう。

妊娠したらストレス・過労に注意して免疫を高め、感染に強い状況を維持しましょう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。