最近、よく耳にするケースの増えた子宮内フローラ。
着床環境にも影響するとか…
ラクトバチルスについて、リプロダクション浮田クリニックの浮田祐司先生に伺いました。
ゆーゆさん(35歳)
体外受精で移植してもなかなか上手くいかないため、EMMA検査をしたところラクトバチルスが0%でガードネレラ菌が87%を占めていました。
アモキシシリン内服薬を飲んだ後ラクトフローラフォルテという膣錠を使って現在治療しています。
来週移植するのですが、通っているクリニックでは感染予防のために、移植前日、当日、翌日とクラリスロマイシンを飲むように指示されています。
せっかく膣錠を使ってラクトバチルスを増やしても、移植の時に抗生剤を飲むといい菌がまたいなくなってしまうのではないかと心配です。
長年人工授精、採卵、移植のたびに抗生剤を飲み続けていてカンジダにも頻繁になるようになってしまいました。
今回も抗生剤を飲むことでいい菌は死んでしまわないでしょうか?
子宮内フローラのためにできることはないでしょうか?
反復着床不全や流産の原因検索として、子宮内フローラ(子宮内細菌叢)の検査をされているのはいいことだと思います。また、子宮内フローラの改善目的にまず抗生剤を内服されていますし、ラクトフェリンおよび腟錠を使用されていることもいいと思います。
子宮内フローラの乱れは、善玉菌といわれているラクトバチルスが減少し、それ以外の悪玉菌が増加することで、それによって不妊症や流産を引き起こすといわれています。
ラクトバチルスを増やした後、移植時に抗生剤を飲むのが不安とのことですが、移植時に抗生剤を使用するかどうかは、施設によって考え方が異なると思われます。もし内服に不安を感じられるのであれば、担当医にその旨を相談されるか、ラクトフェリンを飲む時間を抗生剤内服から前後2時間以上空けることをお勧めします。
また、カンジダ膣炎は抗生剤の反復する使用も原因と思われますが、膣内の細菌叢の乱れが原因の一つと考えられます。今現在、ラクトフェリンおよび腟錠を使用されているため今後、再発しにくくなる可能性はあると思います。再発時には、早期に抗真菌薬の膣内挿入をお勧めします。
最後に、子宮内フローラを整えるには、食事も影響があるといわれています。乳酸菌の含まれている食事を積極的に摂取する等を心がけるのも一つだと思います。