自分らしく輝くために…知っておきたい心や体のこと。プレコンセプションケアの重要性について、さっぽろARTクリニックn24の藤本尚先生に伺いました。
プレコンセプションケアとは？
プレは「前」、コンセプションは「受胎」という意味で、つまり妊娠する前からのケアという概念です。赤ちゃんを授かりたいと考える女性やカップルが生活や健康の見直しをして、将来のためにより良い準備をしようという考え方です。
「妊娠に向けた女性の健康と妊娠出産について、医学的、行動的、社会的リスクを減らすための医療的介入」などと定義され、2006年にアメリカで先駆けて導入した概念で、2012年からはWHOもプレコンセプションケアの対策を始めています。
プレコンセプションケアがなぜ注目されているの？
若い方は、健康で病気なんて関係ないと思っている方が多いと思います。しかし、過度なダイエットなどにより栄養が足りていないということも少なくありません。栄養不足のまま妊娠すると、胎児にも栄養が届かないということもあります。
また歯周病の妊婦さんは、早産や低体重児出産のリスクを高めることが報告されています。
適正体重を維持できているか、バランスの良い食事がとれているか、生活習慣病・婦人科系疾患や歯科などの検診をきちんと受けられているか…。
自分の身体の状態を知り、整えていくことが、実は「妊活」よりも先にやるべき大切なことだからです。
なぜプレコンセプションケアが必要なのか
妊娠する、しないについては、人それぞれに選択肢があり、若い方は「私には関係ない」と思うかもしれません。でも将来に向けて、自分の体の健康を考えたメンテナンスはとても大事です。
プレコンセプションケアは女性やカップルがより健康になること、元気な赤ちゃんをさずかるチャンスを増やすこと、さらに女性や将来の家族がより健康な生活を送れることを目指しています。
また自身のライフプランを考える上で役立ちますし、母親の健康は将来の子どもたちのヘルスケアに影響します。
適切な時期に適切な知識や情報を得て、自分を管理して健康な生活習慣を身につけることは、より健康的な人生を送ることにつながるでしょう。
普段の生活で具体的にどんなことに気をつければ良いでしょうか？
主に11の項目が挙げられます。
・禁煙する、受動喫煙を避ける
・アルコールを控える
・適正体重をキープする
・バランスの良い食事を心がける
・葉酸を積極的に摂取する
・ストレスをため込まない
・体を動かす
・歯のケアをする
・感染症をチェックし、必要なワクチンの接種
・自分と家族の病気を知っておく
・将来の妊娠・出産のライフプランを考える
妊娠前からできること、妊娠後も続けたいこと。そして、ご自身とご家族の健康と素敵な人生のために、できることから一つずつ始めましょう。
男性（パートナー）にもプレコンセプションケアは必要？
もちろん、妊娠は女性だけの問題ではないので、男性向けのプレコンセプションケアも必要です。
若い世代の男女がともに将来の健康を考え、健康管理を意識し、健やかな社会生活を送ること。自分で考えて人生の選択肢を増やすために情報を収集し、活用してほしいと思います。
藤本先生よりまとめ
自分の心や体の状態を知り、毎日の生活や健康と向き合い将来のために体づくりを
妊活中の方はもちろん、いつかはママになりたいと思っている方に、今生活習慣を見直し、将来妊娠するためによくない生活を送っていないか確認してみましょう。また、子どもをもつのか、もたないのかといった人生設計、ライフプランをパートナーと一緒に考える良い機会です。
また、まだ妊娠を考えていない方や妊娠に至らなかった方にも、将来のご自身の健康のために知っていただきたいケアです。
