「妊活」とは妊娠するための活動のこと。結婚して妊活を考えはじめ た時、まず何からすればよいのでしょうか。意識の持ち方や体調管理、 自己タイミングのとり方のコツなど、妊活を始める際に知っておきたい ことをかしわざき産婦人科の柏崎祐士先生に教えていただきました。
ドクターアドバイス
- 二人が本当に子どもを欲しいと思った時が妊活のはじまり。
- 自己タイミングでは排卵日予測検査薬を上手に活用。
- 35歳を過ぎたら早めに妊活を始め、 病院での診察・検査も。
子どもが欲しいと思ったカップルがまず始めるべきことは?
まずご夫婦でしていただきたいのは、本当に今、子どもが欲しいのかどうか、お二人で確認すること。妊活、妊活といいますが、それはお二人がお子さんを欲しいからするのか、ご両親や親戚など周りの人に言われたからするのかということです。妊活の主役はあくまでもご夫婦。外野の声に惑わされないで、お二人が本当に子どもを欲しいと思った時が妊活のはじまりです。
スタートを切る前にしておきたいのは、ご夫婦の生活改善や健康管理。太りぎみだと排卵障害などの原因になるので、肥満の方の場合、BMIはせめて を切るように。やせについては、生理がこないほどの低体重でなければそれほど気にしなくていいでしょう。
また、喫煙は男女ともに絶対NGです。喫煙は妊娠に悪い影響を及ぼすというデータが明確に出ていますから、タバコを吸っている方は子づくりを考えた時点できっぱりやめてください。喫煙していない男性でも、受動喫煙により精子に影響が出るといわれていますからご注意を。
糖尿病や高血圧などの持病がある方は、妊娠しにくいというより妊娠後に合併症のリスクが高くなりますから、内科医と相談しながらきちんとコントロールしておきましょう。
基礎体温や排卵日予測検査薬など、自己タイミングで気をつけることは?
妊活でまず初めに皆さんがトライするのが自己タイミングだと思います。女性が排卵する時期に合わせて夫婦生活をもち、妊娠する確率を上げる。排卵したかどうかは、排卵後に分泌されるプロゲステロンというホルモン(黄体ホルモン)を確認して調べます。このホルモンが出ると一時的に体温が上がります。
体温の微妙な変化をみる基礎体温は排卵の時期を知る一つの情報になりますが、体温の上がり始めは計測時にはわからないので、これだけで排卵を推測するのは難しいでしょう。あくまでも「ああ、この時期だったんだな」と後で基礎体温表を見てわかるものなんです。
自己タイミングをとる時は基礎体温の情報だけでは足りないので、補うために排卵日予測検査薬を使います。排卵前はLHというホルモンが大量に分泌される現象(LHサージ)が起こるのですが、これはそれをとらえるもの。LHサージのピークは 時間程度と短く、説明書にある「1日1回」の検査では、LHサージのピークを見逃してしまうことがあります。
3日 3回、8時間毎に検査薬を使用すると、ピークを見つけやすくなります。そのピークから 10 ~12時間後、サージ開始からはおよそ 36 時間後に排卵が起こるといわれています。
病院を受診する・検査を受ける適切な時期について教えてください
昔は「結婚して避妊をせず、普通の夫婦生活をもって2年経って妊娠しなければ不妊症という前提で検査をしましょう」といわれていましたが、今の時代は晩婚の方が多いので、この定義はそぐわないと思います。年齢によっては1年でも遅い、数カ月で、もしくは結婚したらすぐという方もいるかもしれません。
女性の生殖期間は限られています。「いずれはね」と先延ばしせず、 35 歳を過ぎたらすぐに妊活を始めて、できれば病院へ行って不妊に関する基本的な検査だけでも受けておいたほうがいいでしょう。まだお若くても「生理不順がある」「生理痛がひどい」など、何かしら婦人科の問題を抱えているようなら、子づくりに関しても早めに病院へ行って相談されることをおすすめします。
排卵してから生理がくるまでの日数はだいたい日間で、これにはほとんど個人差がありません。
年齢にかかわらず、自己タイミングをとっている場合、生理が 日周期の方なら毎月生理がきてから 日目くらい、 日周期の方なら 日目くらいにタイミングをとってみて、3カ月ほど続けても妊娠しなかったら病院を受診して検査をするというのも1つの目安になるかと思います。