松山毅彦先生のオンライン質問会

妊娠の成功率を上げるために、卵子の質を良くするなど 体のベースを整えることが大切で。今回、近年注目を 集める不妊鍼灸をはじめ体を整えることについて質問が寄 せられまし。答えてくれたの、厚仁病院の松山先不妊治療中の体づくりについ、論理的にわかりやすく説 明してくれました。

厚仁病院 生殖医療部門松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学付属大磯病 院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を経て、1996 年厚仁病 院産婦人科を開設。厚仁病院理事長。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖 医学会生殖医療専門医。

ドクターアドバイス

より良い卵子を得るために、 栄養摂取や鍼灸などを取り入れつつ体のベースを整えましょう

鍼灸治療について 詳しく知りたい! 

体のベースを整える鍼灸治療に興味があります。いろいろな 治療法・鍼灸院があるようですが、私自身が高齢出産となる ため、不妊治療に適した方法を選びたいと思います。鍼灸に おいて、どのような方法が効果的ですか。

司会●鍼灸院の選び方について、ご意見をお聞かせください。

松山先生●私自身、西洋医学の医師なので鍼灸に精通しているわけではありませんが、どの分野においても重要なのは治療目的です。まずはその鍼灸院が何を目的として施術を行っているか、そしてその目的のために鍼灸以外でのサポートを行っているかということも大事だと思います。

選び方としては、不妊治療を目的とした鍼灸院を選ぶこと。そして鍼灸の場合はすぐに結果が出るわけではないので、何度か通院してみて自分に合っていれば続けるといいと思います。

司会●松山先生の病院でも鍼灸を取り入れていらっしゃいますが、どこにポイントを置いて施術されていますか。

松山先生●ポイントとしては、いい卵子をつくるために卵巣と子宮内膜にフォーカスし、血流量を上げるよう取り組んでいます。そしてそのために西洋医学で使用される低出力レーザー治療と鍼灸を併用している点が、私としては非常に理にかなっていると思います。当院で鍼灸を導入したきっかけは、現在鍼灸を担当している中村一徳先生との出会いです。彼の施術は理にかなっており、西洋医学の分野にいる私でも納得できました。ただ、やはり何度か通っていただかないと結果に結びつかないものなので、続けていただきたいと思います。

卵子の確認はエコーだけで大丈夫?

44歳で、AMH 0.92ng/ml、LHの上がりが鈍いほかは、ホル モン値は正常で低刺激法に挑戦中。現在は採卵直前の採血 と、エコーで卵子の確認をするくらいですが大丈夫でしょうか。 また卵子の質を上げる方法はありますか。

司会●卵子に問題がなければ、D3 で採血をせず、エコーで卵子の確認をするくらいでも大丈夫なのでしょうか。

松山先生●その先生の考え方もあると思いますが、私の 場合はさまざまな情報があったほうがいいと思うので、  D3 で採血をしてホルモン検査を行い、それに加えてエ コーで卵子の様子を見て判断していきたいと思います。 文献にもあるのですが、排卵誘発のパターンを決めるた めには、D3 の AMHFSH といったホルモン値と、超音 波エコーで見た胞状卵胞の数は極めて大事な要素だと言 われていますので採血をしてそれらの結果を判断材料に しています。

司会●質問にもありますが、卵子の質を上げる方法はあ りますか。

松山先生●年齢が上がるにつれ、卵子は老化していきま す。さらに、AMH のように卵胞の状態を把握するマーカー はありますが、卵子のマーカーはありません。ですが、 卵子をとりまく環境を良くするために、鍼灸を取り入れ たりサプリメントで栄養を補ったりする方法はあります。 細胞にエネルギーを与えるために必要な栄養素、といっ たポイントを押さえつつサプリメントを摂取することは、 現代の栄養が偏りがちな食生活には大事だと思います。 特に、その方に合った栄養素を摂ることは大切ですね。

低AMHの場合、自然周期に 変えたほうがいい?

低AMHのためアンタゴニスト法等で採卵しても卵子が少ししか採 れませんでした。自然周期を得意とするクリニックに転院したほうが 良いでしょうか。また、人工授精にステップダウンする場合、卵管造 影検査は有効でしょうか。

司会●自然周期の場合はアンタゴニスト法に比べて採れる卵子の質は良くなりますか。また、体への負担に差はあり ますか。

松山先生●自然周期に限らず、クリニックによって得意 とする方法がありますが、どの方法が良いとは一概に言 えません。結局は、その方に応じた方法を取ることが大 切なのではないでしょうか。たとえば、D3 で AMH の値 が低ければ、多くは採卵できないでしょうから低刺激法 をすすめます。当院も低刺激法とアンタゴニスト法を行っ ていますが、体への負担という点においては、どちらの 方法でもそれほど差は出ないと思います。自然周期や低 刺激法は、通院の回数は増えることもありますが体への 負担は少ないと思います。アンタゴニスト法は、毎日注 射をしなければならないので、体への負担は多少ありま すが、自己注射を採用した場合は通院の回数が少ない点 で負担は少なめでしょう。

司会●人工授精にステップダウンする場合、卵管造影検査 は有効でしょうか。

松山先生●卵管造影検査はすべての要素がわかる検査では ありませんが、卵管に癒着などの問題がなく正常に働いて いるかどうかをみておく必要はあります。スッテプダウン として人工授精を行う際には、有効だと思います。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。