妊娠前に済ませておくべき 検査や予防接種

青葉レディースクリニック産婦人科医小松先生の「 妊娠前に始める 母親教室 」

第1回 妊娠前に済ませておくべき 検査や予防接種

結婚を控えている方、そろそろ妊娠を考えている方 が妊娠前にチェックしたほうがよい検査や予防接種 について解説します。

 

小松 一 先生 高知県出身。九州大学医学部卒業。九州大学病院周産母子センターや北九州市立医療 センター、九州厚生年金病院などで研鑽を重ね、2007年に「青葉レディースクリニッ ク」を開業。高齢出産を多く手がけており、安心できる分娩をモットーにしている。

妊娠前にどのような 検査を受けたらいいですか?

今まで、月経不順や不正出血がなくても、まずは産婦人科を受診して子宮・卵巣のエコー検査、子宮頸がん検診を受けましょう。子宮筋腫子宮奇形は不妊症や流産の原因となることがあります。大きい卵巣囊腫では正常な排卵ができず、同じく不妊症の原因となることがあります。また妊娠中は激痛を起こして、緊急手術が必要な場合があります。

  40 歳以上では子宮体がんや乳がんの検診に加えて、糖尿病、甲状腺機能、性行為感染症など検査をしたほうがいいでしょう。

風しんが流行していると聞きます。 どうしたらよいのでしょうか?

風しんに対する免疫が不十分な女性が妊娠 20 週頃まで に風しんウィルスに感染すると、眼や耳、心臓などに障害(先天性風しん症候群)のある子どもが生まれる恐れがあります。その割合は妊娠1カ月で罹患した場合 50 % 以上、妊娠 2 カ月では 35 %と言われています。
 
現在の子どもは風しんの予防接種を2回受けますが、男女とも 28 歳以上の成人は小児期に予防接種を 1 回しか 受けておらず、男性は 39 歳以上、女性は 56 歳以上の方は1 回も予防接種を受けていません。従って、十分な風しん抗体を獲得していない可能性がありますので、最寄りの保健所や病院で、風しんの抗体価を調べて、抗体が低ければ、妊娠する前に予防接種を受けましょう。

そのほか、妊娠前に 気をつけることはありますか?

歯周病菌は腫れた歯肉から容易に血管内に侵入し、全身に回ります。血管に入った細菌は免疫によって死滅しますが、歯周病菌の死骸のもつ内毒素は、心臓、脳、子宮に対して、炎症を引き起こし、脳梗塞、虚血性心疾患、流早産の原因となることが近年、わかってきました。一方、妊娠により、歯肉炎や歯周病が悪化することも知られています。
 
しかし我が国では欧米と比し、歯の健康や口腔衛生状態への意識が低いようです。妊娠前に歯科検診を受けてみてはいかがでしょうか。
 
葉酸は胎児の口唇口蓋裂や二分脊椎などの予防のために妊娠初期に摂取すべき栄養素として知られていますが、近年は発達障害や自閉症の予防にも有用であることがわかってきました。葉酸は 1 日400マイクログラムを 2 カ月間摂取し続けないと効果が出ないと言われています。また葉酸だけでは、効果が不十分な体質の方もいることがわかってきました。妊活を始めたら、葉酸、およびビタミン B 群を同時に摂取しましょう。

妊娠中の体重管理について

妊娠中の過度な体重増加は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症を引き起こし、早産や胎児発育不全あるいは巨大児の恐れがあります。妊娠中はバランスのよい食事と適度の運動が大切です。妊娠中の適正体重は健康状態や体型によって異なります。主治医と相談して、無理ない程度のダイエットに取り組むのもいいでしょう。

母子健康手帳を もっていますか?

皆さんはご自分の成長の記録が書かれた「母子健康手帳」を見たことはあるでしょうか?
 
通常、幼少時にかかった病気や予防接種など、丁寧に記録されています。もしも、母子手帳をもっていない、母親が保管しているのであれば、妊活を機に、ご自分の母子手帳をご覧になってみませんか?
 
きっと役に立ちます。また、妊娠して、母子手帳をもらったら、いずれ子どもに手渡すことを念頭に、成長記録、予防接種、病歴などしっかり記録しましょう。

 

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