Q ウルトラロング法を すすめられましたが…

福田 勝 先生 順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦 人科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経 て、1993 年福田ウイメンズクリニック開院。
みうさん(28歳)からの相談 Q.私は子宮内膜症(左右14~17mm程度)があり、AIH4 回やりましたがNGだったので、体外受精をすることに。 私はロング法でいくつもりでしたが、病院の方針で内膜症 の人はウルトラロング法を実施しているといわれました。 ウルトラロング法は3カ月スプレキュアⓇを使用して生理 を止め、そこから採卵をする方法で、正直、採卵までに 3カ月もかかるのがちょっと嫌だなと思っています。受精 卵を戻す際も採卵から2カ月様子をみて子宮内を整えて から移植するのでトータルで 5 ~6カ月かかるため、早く 授かりたい私としてはロング法でいきたいです。そして現 在スプレキュア ® を使用していますが、副作用も出始め、 これをあと2カ月以上やるのかと思うと不安です…。

みうさんは、子宮内膜症「左右 14 ~ 17mm 程 度」との診断でした。

着床をはじめ、妊娠す るにあたって影響はありますか?

福田先生 子宮内膜症とは、子宮の内膜組織と似た組織が、卵巣や子宮の筋層部分などにでき、生理のたびに出血を繰り返す病気です。血液は外に排出されずに溜まるため、炎症や痛みを引き起こすことがあります。

子宮内膜症が左右あるとのことで、チョコレート囊胞と思われますが、大きさが 14 ~ 17mm 程度なので軽症といえます。

子宮内膜症のなかでも子宮自体が腫大してしまう子宮腺筋症のある場合は、着床障害などの影響が出る可能性があります。ただ、みうさんの場合ですと、受精卵が着床するには問題ありません。

みうさんはウルトラロング法を適応さ れたとのこと。そのメリットをお教えください。

福田先生 ウルトラロング法は、生理がこない状態を長い間つくり、そこから排卵誘発剤の投与を始めて採卵するのが特徴です。

メリットは、排卵の時期を点鼻薬や注射剤などの薬でコントロールさせるため、採卵のスケジュールが立てやすくなります。 LH が分泌されやすい人の場合には、薬でコントロールすることで卵子の質をあげることができるという特長もあります。さ らに、FSH が高い場合は、点鼻薬で下垂体ホルモンを長い間抑制することで数値を下げられるため、卵巣機能を改善できます。また長期間にわたって生理を止められるため、子宮の炎症や腫れが落ち着き、子宮内膜の状態を整えられる面もあります。

デメリットは、採卵までのスケジュールが長いという点です。また、長期間にわたっ て薬をたくさん使う点があげられます。

みうさんの主治医がウルトラロング法をすすめる理由は、過去に同じような病状の患 者さんにウルトラロング法をやって妊娠に結びついた例があるからだと考えられます。

福田先生も治療にウルトラロング法を選 択することはありますか?

福田先生 当院では子宮内膜症だからといって即、ウルトラロング法を適応することはありません。ピルを連続投与して も FSH が高い方などに適応する場合が あります。

チョコレート囊胞は軽度なので、ロング法でもショート法でも治療は可能と考えられます。また内膜の状態を整える必要がある場合は、採卵周期に移植せず、凍結して次周期以降に移植する方法を取っています。

その他にアドバイスがありましたらお願い します。

福田先生 治療を受ける際は、医師が提案する治療方法について納得して受けることがとても大切です。医師がその治療法をすすめる理由をじっくり聞いたうえで、治療方法を相談してみるといいでしょう。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。