アンタゴニスト法、 ショート法どちらが 自分に合ってる?
治療は進んでいくけれど、本当にそれが自分に合っ ている治療かわからない…。
そのような時はどんな ふうにドクターに聞くとよいのか、またどう気持ち を伝えればよいのかを、とくおかレディースクリ ニックの徳岡晋先生にお聞きしました。
①ショート法とアンタゴニスト法は 高~中刺激の排卵誘発法
②どちらを選択するかは 医師と本人の相談で
前回の採卵で 11 個採れて 7 個胚 盤胞までいったのは、成績的には決 して悪くありません。妊娠まで至ら なかったのは、たまたま卵子の質が よくなかった、染色体異常のある卵 子だったのではないかと思います。
転院先の病院ではアンタゴニス ト法でうまくいかなかったので、 ショート法に変えてみることになっ たとのことですね。ハナコさんはま だお若いので、ショート法でも大丈 夫かとは思いますが、年齢が高く卵 巣予備能が低い方の場合は、点鼻薬 で排卵を抑制すると最初から卵子が 育たないこともあります。ショート 法では抑制がそれほど強くなるので す。もし私がハナコさんの担当医 だったら、前回は刺激法がよくな かったのではなくて、そのサイクル にいい卵子が少なかっただけではな いかと考え、もう 1 回アンタゴニ スト法でいくことをご提案すると思 います。卵子を育てながら排卵を抑 制する方法の進化系がアンタゴニス ト法だろうと私は考えています。た だ、方法を変えれば質の違う卵子が できるということもあります。だか らショート法に変えたことも間違い ではないと思います。
③希望はできるだけ 伝えておきましょう
D 7で卵子が 6 個見えたということ ですが、これからうまく育てば増える こともありますし、逆に減ることもあ ります。前回のアンタゴニスト法より 少ないのは、ショート法で抑制が強 くかかっているからかもしれません。 ショート法が得意で、注射を増やした りして調整するドクターもいます。ド クターがどのくらい卵子を求めて育て ていくのかにもよりますね。
これから移植の方法をどうするか 決めていくことになると思います。 自然周期より薬を使って内膜をつく るホルモン補充周期で移植すること が多いですが、もしご希望がある場 合はよく相談して決めていただけれ ばと思います。
ドクター以外の スタッフにも質問を
「聞きたいことは山ほどあるけ ど、ドクターにはすべてを聞くことができない」と感じている人は多いのではないでしょうか。「こんなことを聞いていいのかしら」「先生お忙しそう…」と質問することを躊躇してしまうこともあると思います。
そんな時には、ドクター以外のスタッフ、たとえばカウンセラーや看護師、受付スタッフなどに質問してみましょう。
「体外受精コーディネーターや看護師などと話す時間をもつのは有効ですよ」と徳岡先生はおっしゃいます。実際、とくおかレディースクリニックでは、治療の結果がうまくいかなかった時は、患者さんとチーフナースが話す時間を設けるそう。ドクターと話すよりも質問の垣根が下がり、本音で聞きたいことを聞ける機会になっているようです。そこで次回の治療の希望を伝える患者さんもいるのだそう。
「話しやすいスタッフを見つけて、気軽に質問したり、要望、思いを伝えるようにするといいですね。医師はできるだけ患者さんの意向や考えを尊重したいと思っているはずです。話していただいたほうが治療もスムーズに進んでいくと思いますよ」