排卵前後の超音波による内膜と卵胞について

Q タイミングのとり方が 合っているかモヤモヤします

ドクターアドバイス

●生理終了後は排卵までに2日に1回のペースで自主的にタイミングを。
●4〜6回のタイミング法で結果が出ない場合は人工授精の検討も。
石原尚徳先生 高知大学医学部卒業 神戸大学医学部大学院修了。医学博士。兵 庫県立成人病センター、兵庫県立こども病院の勤務を経て、2008年 より久保みずきレディースクリニック菅原記念診療所。不妊治療から周 産期・小児医療まで、地域に根ざした総合的なサポート体制が整う同ク リニックで、不妊治療/婦人科、産科の外来を担当する。同クリニック のほか、兵庫県の明石・須磨・名谷にも系列クリニックを展開。さらに 9月にオープンする、垂水の医療モール施設内にも新クリニックが誕生し ます。一般婦人科として幅広い世代の女性に対応していかれるそうです。
アコさん(34歳)からの相談 Q.タイミング指導で妊娠を目指しています。クロミッド Ⓡで 卵胞が育たなかったので、4周期目はセキソビット Ⓡに替 えました。スピードは遅いですが、D25 で子宮内膜 7.5 ㎜、卵胞19.4㎜に。D27にHCGを打ちました。(内 膜 9.4㎜、卵胞 23㎜)。タイミング指導では同日と翌 日にと言われています。HCGを打つ前の超音波で内膜 が白く映っていました。内膜が白いのは排卵後と聞いた ことがありますが、排卵後だったのでしょうか。HCGを 打つ前日のD26に体温が36.05℃で最低体温になり、 子宮やその横が微妙に痛み、伸びるおりものも出ました。 HCG当日も伸びるおりものは出ましたが、前日より量は 少なかった気がします。言われたように当日夜にタイミン グはとったのですが、ずっとモヤモヤしています。

タイミング法について教えてください。

石原先生 タイミング法は基礎体温、超音 波検査、ホルモン検査などで予測した排卵日にもとづいてタイミングを取り妊娠の確 率を高める方法です。自然周期によるタイミング法のほかに、排卵誘発剤を用いて複数の卵子を育てて受精の確率を高める刺激周期による方法があります。
  一般的にタイミング法の場合は、排卵日の 4日前〜前日までが妊娠しやすいと言われています。なかでも有名な欧米のデータによると、排卵日の2日前の妊娠率がもっとも高い とされています。精子の寿命は 2 日程度なのに対し、卵子の寿命は排卵後約 24 時間以内と 言われています。排卵当日から妊娠率は低下しますので、排卵日までにタイミングをとることがポイントになります。

アコさんのタイミングのとり方について、 どう思われますか?

石原先生 月経から排卵までの卵胞期は、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモンの影響により、成熟卵胞へと成長します。排卵が近づくと卵胞の大きさは 18 〜 20 ㎜、 子宮内膜の厚さは 10 ㎜前後になります。わ かりやすい排卵の兆候としては、透明で伸びるおりものが増えたり、下腹部に痛みを 感じることがあります。一般的には、この時期を排卵が近い目安としてタイミングをとっていただくといいと思います。

アコさんの場合、卵胞の大きさはD 25 で19 ㎜、D 27 で 23 ㎜とのことですが、排卵の 目安は 20 ㎜前後とされていますので、卵胞 が 19 ㎜になった時点でタイミングをとると 良かったかもしれません。この方は、卵胞が 23 ㎜の時点で排卵をうながすHCG注射 を打っていますが、予想に反して早めに自然排卵していることもあります。超音波で 内膜が白く映っていたとのことですが、超音波のビームが入る方向によって白く映ることもあるので排卵していなかったかもし れませんが、アコさんがおっしゃる通り、排卵後だった可能性もあります。

一般的な目安として、 28 日周期の人であ れば生理が5〜6日目に終わり、その1週間後に排卵します。生理後2日に1回のペースでタイミングをとっていれば自然排卵で妊娠することもあります。先生にいわれたピンポイントの日だけではなく、卵胞が育ってきたら自主的にタイミングをとるようにしましょう。

今後のアドバイスをお願いします。

石原先生 月経不順による治療歴が1年とのことですが、身長168㎝、体重 54 ㎏と痩せ ていらっしゃるので、これも排卵障害、月経不順の一因かもしれません。これまで何回タイミング法を試されているのかがわかりませんが、一般的にタイミング法を4〜6回繰り返しても結果が出ない場合は、人工授精へのステップアップも検討されるべきでしょう。

ただ先ほどお話ししたように、まずは卵胞が育ってきたら2日に1回タイミングをしっかりとることから始めてみてはいかがでしょうか。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。