卵子の質が悪い人は何度やっても同じ結果になる?

あいウイメンズクリニック 伊 藤 哲 先 生 順天堂大学医学部卒業、同大学院修了。順天堂大学医学部産婦人科学教室講師、国際親善総合病院産婦人科医長を経て、1999 年あいウイメンズクリニック開院。日本生殖医学会生殖医療専門医。

談者:みゅうさん(27歳)夫の乏精子症が発覚し、アンタゴニスト法での顕微授精を行いました。先生からは「若いから2人目もこの採卵でいけるかも」と言われ、私自身も期待していました。しかし実際は、採卵数 15 個、そのうち成熟卵は7個、7個受精し、あとは未熟な卵子でした。そして、分割が遅くなってしまい、胚盤胞になったのは4CCの1つだけ。今は移植待ちです。卵子の質が悪い体質なのでしょうか。質の悪い人は何度やっても結果は同じような感じなのでしょうか。

 

みゅうさんの所見について、先生は どのように評価されますか。

伊藤先生●アンタゴニスト法で15個という採卵数に関しては問題ありませんが、そのうち成熟卵が7個というのは27歳という年齢の割には少ない。また、受精率は悪くありませんが、胚盤胞まで進んだのが1個だけということ。みゅうさんの年齢なら、通常、5割以上は胚盤胞になると思います。これらのことを総合的に見たら、確かによくない所見かもしれません。

卵子の質が悪いということなのでしょうか。

伊藤先生●僕が考える卵子の良し悪しは成長具合が決め手だと思っています。胚盤胞まで育つものはいいし、途中で成長が止まってしまうものはよくない。年齢的な影響やもともと遺伝子に異常があることが原因で、よくない卵子が増えることがあります。しかし、そうでなければ、「私は卵子の質が悪いから何度治療しても妊娠できない」と考えることはないと思います。

みゅうさんはまだ体外受精1回目ですよね。それで決めてしまうのは早すぎます。同じ方でも治療する周期によって受精卵の状態が異なり、悪い時とよい時があります。

みゅうさんよりずっと年齢が高い 40歳の方で、ずっとよくなかったけれど、しばらく治療を続けて良好な受精卵ができて妊娠したケースもあります。早々に結論を出さず、1回目の体外受精はまだトライの段階と考えていただきたい。採卵する方法がその方に合っているかどうか探っている状況ですね。

今後、どのような治療方針を立てて  いけばいいですか

伊藤先生●まずは今ある胚盤胞を移植して結果を待ってみては。グレードはそれほどよくなくても、凍結できたのなら妊娠される可能性はあると思います。もしうまくいかなかったら、次の採卵時、刺激の方法を変えてみる。未熟卵が多いので、やり方を工夫すれば改善できる可能性は大いにあるのでは。 1回目はアンタゴニスト法を採用さ れましたが、このお薬が合わなかった可能性もあるので、次回はアゴニストの点鼻薬を使った方法にトライしてみるなど、選択肢はいくつかあると思います。当院だったらロング法をおすすめすると思いますね。

まだ年齢がお若いので時間も治療の選択肢もたくさんあります。あせらず、 1回1回の治療に前向きに臨んでいっていただきたいですね。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。