俵先生に! 聞きました

妊娠にまつわるウソ?ホント!ウワサの真相

「○○したら妊娠できた」「○○はNG!」といった妊娠 にまつわる噂や俗説……。

ウソなのか、ホントなのか、 俵IVFクリニックの俵史子先生に医師の立場から解説し ていただきます。

俵 史子 先生 浜松医科大学医学部卒業。総合病院勤務医時代より不妊治療に携わり、 2004 年愛知県の竹内病院トヨタ不妊センター所長に就任。2007 年、 出身 地の静岡に俵 IVF クリニックを開業。 昨年静岡駅前に移転し、リニューア ルオープン。妊娠するためには生活習慣の改善や運動も重要だと考えてい る同クリニック。それを患者さんに説得力をもって伝えられるよう、先日、 ダンススタジオの講師を招き、スタッフ向けにエクササイズ教室を実施さ れたそうです。

俵先生より

不妊の原因はすべて解明されてはいないので、不妊治療による体への影響も100% クリアになっているというわけではありません。
しかし、現状行われている治療に関 して考慮すべきネガティブな報告はないので、安心して受けていただきたいですね。
それよりも不確かな情報に振り回されて、それがストレスになってしまうほうが妊娠 に良くない影響を及ぼすのでは。
不明な点があったら医師にきちんと確認し、心も 体も健康で安らかな状態で治療に臨んでいただきたいと思います。

体温が下がった日が 排卵日?

(チェキさん・ 22 歳)排卵日とは、高温期の前にガクンと体温が下がった日のことをいうのですよね?5日ほど前に体温がぐっと下がり、その後、また低温が4日くらい続き、今日高温期になりました。この場合、排卵日は5日前? それとも高温期になる前の日?
A.体温陥落日と排卵日一致の確率は全体の約3割程度
  基礎体温を測ることは自分の排卵の傾向を知るためにもおすすめしたいことで すが、体温だけで排卵日をぴたりと見極めることはできません。
病院ではほかに卵胞の状態を超音波で確認したり、血中のLH値を調べて、なるべく正確に排卵日を予測するようにしています。
日常診察している医師は常識と思っていますが、「体温がもっとも下がった日 =排卵日」ではないことも多くあるんですね。
大きくはずれることはありませんが、体温がぐっと下がる前、もしくは下がった後に排卵が起きる場合も。
文献を調べると、体温の陥落日と排卵日が一致している確率は全体の 28 ・4%という報告もあります。
「排卵日ぴったりに性交渉をもたないと妊娠しないのでは?」と心配されている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は排卵日に性交渉をもった場合も、排卵日1~2日前に性交渉をもった場合も妊娠率はほとんど変わらないというデータがあるんですね。
ですから当院では幅をもたせて、予測した排卵日の2日前から3日間、性交渉をもつことをおすすめしています。
自己タイミングだと体温の変化に神経質になりすぎてしまう方もいらっしゃるので、心配でしたら病院で指導を受けられることをおすすめします。

排卵誘発剤で 太るってホント?

(さゆりさん・35歳)不妊治療を始めてから1年弱。クロミッドⓇの服用、HCG注射で治療 しています。昨年48kgだった体重が、現在52kgまで増加。薬や注射の 影響ってあるものでしょうか? それとも単に年だから?
A.薬が直接原因で太るという医学的な根拠はありません 
今のところ、クロミッドⓇなど排卵誘発剤の服用を伴う治療により“太る” という医学的な根拠は存在していません。
「ホルモン剤を飲むと太る」と 認識されている方も多いようですが、ホルモン剤の代表的なものである低 用量ピルでも、服用による体重増加の頻度は少なく、報告によると全体の 1%程度。
その増えた原因も体液の貯留、いわゆるむくんだ結果、多少体 重が増加するというケースがほとんどで、急に脂肪の量が増えるなどの副 作用は報告されていません。
確かに女性ホルモンが増えると女性らしい丸みを帯びた体になり、体の 調子が良くなって食欲もある程度増すことがあります。
つまり、ホルモン剤を服用したから太るということではなく、間接的な 影響や体質的な問題があるかもしれないということです。
食欲が増進され やすい状態でカロリーの高いものを過剰に食べ続ければ、当然、体重が 増加してしまうこともあるでしょう。
「ホルモン剤のせいだから仕方ない」 と考えるのではなく、妊娠を望む人は日頃から体重や生活習慣をきちんと 管理することが 大切です。
薬は まったく関係な く、治療のイラ イラなどで過食 になり、太って しまう人もいる ので、ストレス の上手な解消法 も見つけておき ましょう。

不妊治療をすると 卵巣がんになりやすい?

(ぺぺさん・30歳)現在、体外受精に挑戦中。排卵誘発剤を飲んでいますし、注射もあれ これしています。先日、知人とおしゃべりしていたら、別の知人が卵巣 がんになったと聞きました。それって、不妊治療の影響?
A.わずかなリスク上昇の傾向はありますが、有意な差はなし
アメリカにおいて、2004年から2009年の間に不妊治療を受けた約5万 人の患者のうち、体外受精などのART治療を受けた女性とART治療を 受けなかった女性の治療終了後約5年間のがん発症リスクを比較したデー タがあります。
結果を見てみると、両群の間でがん全般の発症リスクに大 きな違いはありませんでしたが、卵巣がん発症リスクはART治療を受け た人のほうがわずかながら高い傾向があると報告されていました。
しかし、 その差は本当に小さく、有意な違いは認められていません。
心配される方もいるかもしれませんが、卵巣がんを引き起こす原因は1 つではなく、さまざまなファクターが考えられます。
卵巣がんの原因の5% は遺伝性のものといわれており、それは不妊治療をしてもしなくてもリス クは変わりません。
また、排卵の回数が多い人、つまり長い期間妊娠して いない人や子宮内膜症をもっている人も卵巣がんのリスクが高いといわれ ています。
排卵誘発剤などの薬が影響しているのではなく、もともとの不 妊体質がリスクにつながっている可能性もあるかもしれません。
不妊治療と卵巣がんの関係性について、今後さらなる詳しいデータを とっていくことが必要だと思いますが、万が一何かあったとしても、不妊 治療をしている人は 治療中さまざまな検 査を定期的に行って いるので、卵巣の異 常を早期に見つけら れる可能性は高いと 思います。
あまり神 経質にならず、安心 して治療に臨んでい ただきたいですね。

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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。