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妊娠検査薬
妊娠検査薬はどんなしくみ? 正確に調べられますか?
妊娠すると、将来胎盤になる前段階の組織である絨毛というところからhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。
このホルモンは尿中にも排出されており、それを検出して妊娠反応を確認するのが「妊娠検査薬」です。
昔は検出基準値が1000 mIU /ml ほどで、それ以下だとマイナスの反応が出て いました。
1000 mIU / ml というと妊娠5週く らいの数値。
検査薬を使っても、生理が1~2週間遅れないと妊娠しているかどうか、はっきり判断できなかったんですね。
現在は感度や精度が格段に上がり、市販のものでも検出基準値は 25 ~ 50mIU / ml という単 位。
ほぼ間違いなく判定できると思いますが、検査薬はホルモンの数値まで細かく出すことはできず、ラインの色や濃さで自己診断するリトマス試験紙のようなもの。
どうしても主観が入ってしまい、あいまいなところがあるので、検査薬だけで結果を確定するのはおすすめできませんね。
病院では採血をして、血中のhCG濃度を測定します。
数字でみることができるので、市販の検査薬より確実に判定することができます。
妊娠している場合は4週でhCGの数値が100 mIU / ml 前後。4週以降で0 mIU / ml の場合は、着床していないケースがほとんどですね。
ただし、数値でみても100%判定が確実とはいえません。
妊娠はしていても胎のうが見えないうちに流れてしまい、化学流産というケースもあります。
検査薬も含め、ホルモンの状態だけでは判断しにくい場合もあるので、微妙な方はその後の経過観察が必要になってきます。
妊娠検査薬 フライング
フライングしてしまったら きちんと判定できない?
当院でも、妊娠検査薬を個人で使う方は多く、フライングしてくる方も結構いらっしゃいます。
「いち早く妊娠を確認したい」と、はやる気持ちを抑えることができないのでしょうね。
妊娠検査薬を使うのは決して悪いことではないと思います。
前述したように現在、国内で販売されている検査薬の精度はかなり高く、間違って判定が出るということはほとんどないでしょう。
フライングしてしまった結果、起こりうるケースは「偽陽性」と「偽陰性」の2つがあると思います。
実際は妊娠していないのに陽性と判断。
病院で診断したら妊娠していないとわかる場合もまれにあります。
もう一つ、擬陰性というのも時々あり、これはそのままにしておくと問題ですね。
まだ妊娠反応が出ない時期にフライングして検査薬を使い、「妊娠していないんだ」と勝手に思い込んでしまう。
この場合、化学流産や異所性妊娠を見逃してしまう危険性がありますから、「検査薬で妊娠の反応が出なくても、必ず病院でもう一度判定をしてもらってくださいね」と、患者さんにお伝えしています。
特に不妊治療をしている方は少しでも早く結果を知りたいと思うので、あせって妊娠検査薬を使うのは当然だと思います。
フライングしてしまっても仕方がないでしょう。
ただし、「最終的には病院で判定してもらう」というのが鉄則。
妊娠している、していないという結果だけではなく、放っておくと体に危険な状況になることがあるので、その点は注意していただきたいと思います。
妊娠検査薬 いつから
妊娠しているかどうか、 いつから反応が出ますか?
妊娠の反応はだいたい妊娠4週くらいから出ます。
具体的にその時期はいつかというと、通常の自然妊娠だったら最終生理の初日から2週間後くらい。
妊娠検査薬の検査日もそれに準ずるかと思います。
ただし不妊治療をされている方は、通常の数え 方と少し違って、生理日というより受精日を基準と考え、その日を2週0日として数えます。
新鮮胚で移植した場合は、採卵した日から数え て2週間後に判定が出ます。
凍結胚移植の場合、5日目の受精卵を凍結胚移植するとその日が2週と5日。
妊娠反応が出始める4週0日は、凍結胚移植をして1週間と2~3日くらい。
移植後 10 日 後くらいに判定が出るということですね。
3日目の受精卵で戻した場合は、そこから2日間くらいずれますから、ちょっと複雑かもしれません。
自己判断では間違いやすいので、体外受精をされている方は医師の説明をしっかり聞いて、妊娠反応が出る時期を確認していただきたいと思います。
妊娠反応が出る時期にちゃんと検査していただければ、市販の妊娠検査薬でも病院でもほぼ確実に判定できますが、それでも完全な妊娠とはいいきれません。
正常妊娠と太鼓判を押せるのは、5週で行うエコー検査の結果。超音波で胎のうが確認できれば、今度は間違いないといえるでしょう。
ですから当院では、「胎のうが見えたらご両親に、心拍が確認できたらご親戚に、 12 ~ 13 週経っ て流産の確率がかなり減ったらお友だちに妊娠を伝えてください」と患者さんにお話ししています。