田村秀子先生の 心の 玉手箱Vol.25
治療中の親しい友人が 先に妊娠してしまった時、 素直に喜べない自分に自己嫌悪。
そんな自分の気持ちと 上手く付き合うにはどうすれば?
秀子先生にお話を伺いました。
みよきちさんの投稿に 寄せられたコメントです!
ポジティブになるには 小さな“願掛け”を してみよう
本当に近しい人が妊娠すると、皆さんやはり落ち込みが激しいみたいですね。
だけど無理してその思いを打ち消そうとしてもダメ。前にも言ったことがあると思いますが、昔からお坊さんの袈裟に触るといいことがあるっていうでしょ?
あれと同じように、落ち込んだ時の自分のために、ちょっとした“願掛け”のようなものを作っておくのは良い方法かなと思いますね。
私も実はマイナス思考な人間なので、しんどい時、車を運転しながら赤い車を何台見たか数えたりします。
「今日は赤い車を5台以上見たから良いことがあるかもしれないわ!」とかね。
それで自分を鼓舞するというか、気持ちをポジティブにするみたいなことをやるようにしています。
男性にはちょっと理解しがたいことかもしれないですね(笑)。
気になるのは仕方ない 目をそらせる術を 身につけておきたい
皆さんは誰かにアドバイスを求めようとした場合、「あの人、苦手なの」と言葉に出したことによって、ますます嫌いになったという経験はありませんか?
次からその人を見た時に、前と同じようにはもう見られない。
言葉に出さなかった時よりも、もっとその人のことを嫌いに思ってしまうことがあります。
きっと言葉にした途端、それがまた自分の言葉として記憶の中に擦り込まれるからなのでしょう。
女の人は「気にするな」と言われると、まるでパンドラの箱みたいに、ますますその箱の中身が気になってしまうところがある。
気にするなと言われた途端に、かえってその部分がぽわーんとクローズアップされてしまう。
だから、友達が妊娠したことを「気にするな」じゃなく、気にしてもいいけど、すっとそこから目をそらせる術があれば大丈夫だと思うんですよね。
気にするな=見たらダメということでしょう?目をそらせることができたらそれでOKと考えましょう。
自分の気持ちがずっとネガティブな気持ちにとどまらないようにする方法は何か、それを考える必要はあると思います。
共感だけでは 抜け出せないから 自分ではい上がる
女性とは共感の生き物ですよね。
「落ち込むよねー」「そうそう、私もそうなんだぁ」「わかる〜!」とか、そういう話を仲間としている間は、なかなかアリ地獄からはい上がってこられません。
お話をしている間というのは傷をなめ合っているわけで、とても心地がいいんですよ。
でも、多分、ご主人に聞いてもらっても、「うーん、気にしなくていいんじゃない?」としか返ってこない。
すると、「そんなことを聞いてるんじゃない!」となるでしょう(笑)。
自分で努力したら何とかなるものなら、目標や標語を掲げてもいいかもしれないけれど、不妊治療はそうじゃない。
受験の目標を書いて部屋に貼るのとはちょっとワケが違います。
だから、自分をポジティブにするためのきっかけは、もっと本当に些細な、他愛のない、でも自分の努力ではできないことがいいと思います。
お坊さんの袈裟とか、さっきの赤い車の話とか、“今日のラッキーアイテム”やお祓いの要素を、自分の生活の中で見つけること。
しんどい時も、そんな一見しょーもないことをやりながらクリアしていると、案外乗り切れていくものですよ。
秀子の格言
「どうしようもなく落ち込んだ時は そこにずっととどまらない 自分だけの工夫を見つけましょう」