移植前の採血について

移植前の採血について E2値の基準値は 決まっているのでしょうか ?

松山 毅彦 先生 東海大学医学部卒業。小田原市立病院産婦人科医長、東海大学 付属大磯病院産婦人科勤務、永遠幸レディースクリニック副院長を 経て、1996年厚仁病院産婦人科を開設。日本生殖医学会生殖医 療専門医。おひつじ座のA型。日頃の診察の忙しさに加え、春から 学会などで東京に行く機会が増えてますます慌ただしい日々を過ごして いる松山先生。「大変ですけれど、それだけの収穫があるのでしっか り勉強してきます」と意欲的。
サクさん(35歳)からの相談 Q.私が通っている病院では、ホルモン補充周期で胚盤胞、初期胚移植の場合はD14 に採血を行い、E2とP4 の数値と子宮内膜の厚さを調べて問題がなければ移植とな ります。検査結果は教えてもらえますが基準値は教えてもらえないため、自分の数 値が基準値のどのあたりにいるのかわかりません。ネットで検索して調べると、E2 に関して、D14ではD10の半分に下がっていないといけないという情報を多く見 かけます。私の数値はD14でE2 は487pg/mlですがD14しか採血していま せん。先生は問題ないとのことですが、そもそも移植周期の血液検査は何回行うべ きなのでしょうか。また、基準値の説明は必要ないのでしょうか。

ホルモン値について

移植周期の血液検査について、インターネット上で、さまざまな情報が飛び交っているよ うです。先生方の間では、E2(エストラジオール・卵胞ホルモン)の基準値は決まっているのでしょうか。もし決まっているなら基準値を教えていただけないでしょうか。また、検査結果が出た際に、基準値に対して高いか低いかの説明は一般的に行われるのでしょうか。
松山先生 これがなかなか難しい話なのです。
教科書的な基準値というものはもちろんあります。
ですが、そもそも胚移植周期に対する考え方が施設、医師によりさまざまなので、卵胞ホルモンの基準値に対しての統一された見解が出にくいのだと思います。
ということは、インターネット上で見られる情報は正しい、間違っているという話ではなく、数値を見る背景が違うので一律で判断できないということでしょうか。松山先生の場合は、移植できるかどうかをどのようにして見極めているのでしょうか。
松山先生 排卵する直前はE2が200~400 pg/ml ぐらいまで上がることが多いの で、私自身は月経 14 日目頃のE2が200pg/ml を目処にしています。
あとは、どれ だけ患者さんにとって楽な方法で管理できるかどうかを考えます。
患者さんが楽に薬を使える方法ですね。
当院の場合は、卵胞ホルモン製剤を服用してもらうなどして、月経 14 日目頃の子宮 内膜の厚みが良好でE2が100~400 pg/ml の間になれば移植をしてもいいのではと思っています。
かなりシンプルな考え方ですがそれによって結果が悪くなったという実感はないので、当院ではそうしています。

血液検査

サクさんは、 1 回しか採血していないことも気にされているようです。普通は、 2 回測るものなのでしょうか。また、数値以外に何を目安にすればいいのでしょうか。
松山先生 当院の場合も少ないです。
E2は月経 3 日目頃に 1 回、それと月経 14 日目頃 に測定し、数値が良好であれば黄体ホルモ ン製剤に切り替えます。
あとは移植日にP4(プロゲステロン・黄体ホルモン)測定くらいです。
移植日にみる値は確認程度なので、出た値によって移植に影響が出るということはないと思っています。
私がホルモン補充周期での移植日を決定しようとする場合、卵胞ホルモン製剤服用時の子宮内膜の厚さや形状をみます。
子宮内膜の厚さはだいたい 7 ㎜以上が好ましいといわれていますので、その厚さがあるかどうかを見て、あれば移植ができると判断しま す。
超音波の裏付けとして、E2の値をみるくらいでしょうか。
ですから、私の意見としては、サクさん は移植できるかどうかを見極める際、E2の値はそれほど気にすることはないと思いますよ。
いま通われているクリニックの成績が悪くなければ、お任せしてもいいのではないでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。