体外受精で今年出産しました。第2子を考えています。

1人目の出産後、 不妊が治ることがあるの?

治療の遅れが、 むしろ2人目の妊娠を 困難にしています

苔口 昭次 先生 1984年、宮崎医科大学を卒業。卒業と同時に岡山大学医学部産婦人科 学教室に入局。高知県立 中央病院産婦人科勤務、神戸掖済会病院産婦 人科部長を経て、 2004年9月より英ウィメンズクリニック勤務、2013 年3月に院長就任。卵管鏡下卵管形成手術(FT)に関して国内有数の 実績があり、国内およびアメ リカ生殖医療学会にて発表の経験も豊富。 心身統合医療にも精通する。B型・おひつじ座。「万歩計を考えた人は えらいですね」。登山のための体力を維持したいと、最近、携帯電話の 万歩計を利用して、1日1万歩を目標に歩いている先生。明治時代の 日本人が1日に2万歩も歩いていたと知り、感化されたそうです!
haruさん(26歳)からの相談 Q.体外受精で今年出産しました。まだ生理は来ませんが、第2子を考えています。 不妊理由としては主治医からはいわれていませんが、 ※ LUF(黄体化未破裂卵胞)だと思います。1度も排卵しなかったわけではなく、通院し始めた頃は きちんと排卵していました。が、排卵せず大きくなったり、ちょっと小さくなっ て排卵したっぽい? が、5、6周期続きました。出産すると生理痛が軽くなっ たり、体質が変わったりすることもあると思いますが、LUFが治ることはあ りますか? LUFじゃなくても、排卵障害や不妊理由が出産によって変わった り、治ったりするのでしょうか?

出産後は妊娠しやすい という説もあるけど、 実際にはどうなの?

苔口先生 日々の診療のなかで、1人目を出 産された患者さんが2人目をすぐに妊娠され た、という経験はもちろんありますが、残念 ながら医学的に証明された根拠はありません。
特に若い世代ですと、日本の場合、一般的に 不妊治療を受ける方というのは全体の約 20 % です。
一方、専門施設の外来患者の平均年齢 は年々高くなっていて、 38 歳、 39 歳という場 合も多いのではないでしょうか。
当院では初 診外来の約 10 %が2人目の妊娠を希望される 方で、こちらは 40 歳以上の方の割合が年々高 くなっています。
たとえば、1人目を 38 歳で出産されて2人 目希望となった場合、年齢的に「2人目は妊 娠しやすいか?」と問われると、そうではな いという結論になります。
皆さん、出産後は 育児に手がかかり、来院されるのは1年半〜 2年半後くらい。
その治療開始の1年の差が妊娠率を大きく左右します。

●2人目不妊で治療を再開した人の胚移植

第1子出産後、第2子妊娠を目指して再来院した患者が、凍結済みの余剰胚を使って融解胚移植の 治療を開始するまでの期間を表したもの。

妊娠したグループは妊娠しなかったグループに比べて、 治療開始の時期が1年間早い。

妊娠によって体質が 大きく変化したり、 不妊が治ることはある?

苔口先生 1人目と2人目の妊娠率を比較す る当院のデータがあります。

●40歳以上の凍結融解胚移植による妊娠率

40〜47歳の患者に対して、凍結融解胚移植を行った際の妊娠率。
1人目と2人目の移植に おける妊娠率はほぼ同じくらい。

45 歳を過ぎると、症例数とともに妊娠率も著しく低下する。

2人 目を希望して来院された方の凍結融解胚移植 の結果を、1人目と2人目に分けて示したも のですが、2人目で格段に妊娠しやすくなる というような傾向は見られず、妊娠率はほぼ 同程度ということがわかると思います。
一方、欧米では体外受精で1人目を授かっ た後、自然妊娠できた患者が4割という報告 もあるようです。
これは社会的に不妊への関 心が若年層にも浸透し、体外受精の適応が比 較的緩やかであるためと考えます。
日本では 2人目を望んだ時点で、年齢が大きな障害と なっているケースが多く、当院で同様に調べ てみると、わずか3%という結果でした。
ちなみにh a ruさんが懸念されるLUF(黄体化未破裂卵胞)の場合、数周期も続けて起 こるのは、まれなケースです。
最初の頃はき ちんと排卵されていたのですよね?
そうで あればクロミッドⓇなど薬の影響かも。
妊娠と の因果関係はないと思います。
子宮内膜症で あれば妊娠で改善し、うまくタイミングを取 れば自然妊娠の可能性もありますが、そのゴー ルデンタイムも数カ月です。
それに子宮内膜症や子宮筋腫は、2人目不妊の原因としては 1割程度です。
1人目を体外受精で妊娠し、 2人目を望むなら、体外受精と並行するなど、 やはり早めの治療がよいでしょう。

●2人目不妊の要因

2人目不妊を 考えるうえで、 気をつけるべきことは?

苔口先生 2人目不妊では男性不妊も見落 とせない要因の一つ。
たとえば1人目のと きは精液所見が正常の範囲だったとしても、 精索静脈瘤などは年齢とともに進行します ので、2人目の時はデータが一気に落ちて いたということも。
2人目不妊はどうして も、1人目に手がかかって治療を迷ってい るうちに、来院時期が遅くなりがちです。
早めに治療を開始することが何よりも大切 だと思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。