卵子の質と今後の治療について

初期胚を9回移植しても 妊娠せず、凍結胚移植を すすめられていますが…

福田 勝 先生 順天堂大学医学部・同大学院修了。米国カリフォルニア大学産婦人 科学教室留学後、順天堂大学医学部産婦人科学教室講師を経て、 1993年福田ウイメンズクリニック開院。開院以来22年間、病気でお 休みしたことがないという福田先生。風邪をひきかけた時の対処法は、 意外にも早めに市販の葛根湯を飲むことだそう。年末も移されそうに なった風邪をその薬で乗り切ったそうです。
りりーさん(42歳)からの相談 Q.これまで人工授精13回、体外受精を9回すべて初期胚移植で行いました。予防 接種のため数カ月治療を休み、引っ越しで転院。その間生理が不順だったので受診 したところ、排卵しそこなった大きな卵胞が確認されたため、2カ月卵巣を休めてか ら治療再開といわれました。卵子の質は前周期のホルモン状態に影響されるのです か? 以前の病院ではそういわれたことはありませんでした。また低刺激でも毎月 採卵は行わず、必ず1周期卵巣を休ませてから採卵を行うとのこと。さらに今後は 卵をいくつかストックして凍結胚を戻す方法を考えているといわれました。年齢的に 時間もないのに時間ばかりかかってしまう印象なのですが…。また左の卵管が詰まっ ていますが、これまでかなりお金を使ってしまったので、今後は人工授精も考えて います。片方の卵管が詰まっていても可能性がありますか?

前週期の影響

まず、卵子の質が前周期のホルモン状態に より影響するかについてはいかがですか?
福田先生 結論からいうと影響します。
各 月経周期のはじめ、月経中から卵胞初期 に5~ 10 数個の卵胞がLHFSHに反 応するゴナドトロピン依存性の卵胞に達 しています。
ゴナドトロピン非依存性の 卵胞がゴナドトロピン依存性の段階まで に達するまでには卵胞の発育が開始して から約 70 日要するといわれています。
と いうことは、常に前の周期から卵胞の発 育は始まっているので、その間のホルモ ンの影響を受けている可能性はあります。
ホルモンの働きが乱れている時、治療周 期の前にカウフマン療法をやったり、低 用量ピルを使ったりして卵巣機能の調節 を行うのはそのためです。

自然周期という方法も

今回2カ月卵巣を休め、次回以降も低刺 激の場合でも 1 周期ごとに卵巣を休ませ るとのことです。
福田先生 原則的に低刺激であれば必ず しも休む必要はないと思います。
ただし、 高刺激ほどではないにせよ、低刺激であっ ても卵巣に影響が残っている場合があり ますので、治療をスタートしようとする 周期には必ず月経中に超音波で卵巣の状 態を確認する必要があります。
毎周期必 ず休まなければいけないということはな く、その結果で決めていけばよいと思い ます。
また、低刺激にこだわらず、自然 周期でやってみるという方法もあります。
自然周期であれば、毎月採卵することは 可能です。

凍結胚盤胞移植

りりーさんはこれまで体外受精で初期胚 の新鮮胚移植のみをやってこられたそう ですが、今後どのように治療を進めてい けばよいでしょうか。
福田先生 これまで新鮮胚移植しかやっ てこられなかったのでしたら、別の方法を試してはどうでしょうか。
受精卵を一 度凍結保存して採卵周期でない時期に移 植をする方法、また受精卵を胚盤胞まで 培養する方法、などを考えられたらよい と思います。
最近はこれらを組み合わせ た凍結胚盤胞移植が多くなされ高い妊娠 率が期待できます。
凍結胚をためていくのは時間ばかりか かる方法だとお考えのようですが、卵巣 の老化はどんどん進んでしまいます。
採 卵数が少ないのであれば、やはり凍結し てためておいたほうがいいと思います。
子宮は卵巣に比べて老化の影響を受けま せん。
移植は自然周期で行うか、ホルモ ン剤を使って人工的に子宮内膜をつくっ ていくかのどちらかになります。
同時に人工授精もお考えのようですが、 片方の卵管が詰まっていても妊娠の可能 性はあります。
もちろん通過性がある卵 管の方で排卵した場合のみになりますが、 その周期にどちらから排卵するかは卵胞 を見て予測することができます。
体外受 精と人工授精を組み合わせて行っていく というのも一つの方法として考えられる と思います。

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