クロミッド®を服用しても排卵しない?

立て続けに流産。 排卵障害もあり心配ですが 今後はどうすればいい?

神谷 博文 先生 札幌医科大学卒業。同大学産婦人科学 講座、第一病理学講座に入局後、斗南 病院にて産婦人科長を10年間務める。 1998年、神谷レディースクリニックを開 業。昨年1月にクリニックを移転し、電子カ ルテの導入や施設・設備の充実、スタッフ の増員を図った。 浅野 明恵 さん 精神的にも、とてもつらい 反復流産。今回は、同クリ ニックで患者さんに細やか なケアをされている、看護 師長の浅野さんも心のケ アについて、お話しください ました。
パピコさん(31歳)からの相談 Q.2歳9カ月の娘がいます。第2子を望んだものの、半年の間に立て続けに流産して います。生理周期が1カ月空くことがあるなど、もともと月経不順なのですが、2回 目の流産の後から、生理周期がかなり長くなってしまいました。 先月、不育症の検査をしてもらった病院でクロミッド®を処方してもらい服用。タイ ミングをとりましたが、エコー検査の結果、排卵していない可能性が高いと言われま した。とてもショックです。これまでもクロミッド ®を服用したことはありますが、排卵 しなかったのは初めてです。病院では、次の生理が来たら、また同じようにクロミッ ド®を服用するよう言われましたが、私の体はどこかおかしくなってしまったので はと不安です。クロミッド ®が効かないことはあるのでしょうか。今後、どうすれば いいのでしょう。

不育症検査の必要性

パピコさんは、2回目の流産の後に生理周期がかなり長くなったと心配していますが、月経不順と流産は関係ありますか?
神谷先生 もともと月経不順で生理周期も長い人は、妊娠したからといって、その後、正常な生理周期になることはありません。
多嚢胞性卵巣症候群などによる排卵障害の場合、分娩後は元の月経不順の状態に戻ります。
また、月経不順だから流産しやすい、不育症になりやすいということもありません。
立て続けに流産することを「反復流産」とい います。
流産は避けられない染色体の偶発的な異常で起きる場合が多く、妊娠した人の 20%くらいが経験するもので、決して稀なことではありません。
昔は3回連続で流産になると不育症検査をするのが一般的でしたが、最近は早めに検査をする傾向にあります。
2回の流産の共通の原因がわかり、それに対して治療をすることができれば流産を防ぐことにつながります。
一度、一通りの検査をしてみるといいでしょう。

着床前診断という選択肢

妊娠出産を経験した人の場合も、一通りの検査をしたほうがいいですか?
神谷先生 パピコさんは1児がいらっしゃるので、不育症の決定的な原因はないのかもしれません。
体調の変化など、その時々の状況によって、血液凝固系、免疫系が関与した反復流産が起きる可能性もあります。
1児がいる場合は、不育症の検査の際に染色体検査をしない場合が多いのですが、反復流産をするのであれば、ご夫婦の染色体の検査はしたほうがいいでしょう。
染色体に構造上の異常がある場合、流産の確率が高くなるからです。
どうしても流産してしまい、他に方法がないのであれば、体外受精着床前診断をして受精卵を戻すという選択もあります。

クロミッドの錠数を増やす

クロミッド ® 服用後も排卵がないことも心配していらっしゃいます。
神谷先生 これは、クロミッド ® に対する反応性が低い排卵障害かもしれませんし、錠数を増やすことで排卵するかもしれません。
主治医の先生の考えている治療の流れもあると思うので、今後の結果を見ながら続けてみてはいかがでしょう。
パピコさんは年齢も若いですし、落ち込まずに希望を持っていただきたいです。

カウンセラーに相談してみよう

精神面のケアはどうされていますか?
神谷先生 当クリニックは不妊症看護認定看護師や不妊カウンセラー、心理カウンセラーといった看護師も心のケアに対応します。
浅野看護師長 落ち込んでいる方に無理に話しかけることはしませんが、個室で思いを吐き出すだけで前向きな気持ちになる方が多いです。
「うまくいくといいですね」と声をかけると、明るい表情になってくださいます。
神谷先生 流産の場合は、不妊症とは違う悲しみがあり、無事に産めないのではという不安があります。
その気持ちを理解することのできるスタッフに話すことで、少しでも楽になっていただければと考えています。

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