採卵や移植の影響?10日以上、だらだらと生理が続いています

ささ山 高宏 先生 産業医科大学医学部医学科卒業。産業医科大学病院、和歌山労災病 院、九州労災病院、セントマザー産婦人科医院の勤務を経て、1997年4 月、幸の鳥レディスクリニックを開業。患者さん一人ひとりを大事にする姿勢 で生殖医療に携わる。A型・おひつじ座。愛用の自転車を持参して、北海 道へ行ってきたという先生。「どこまでもまっすぐまっすぐ延びる道を、思いきり ペダルをこいできました。風をきって北の大地の匂いを感じ、大自然を満喫。 また機会があれば出掛けたいです」。
ゆのさん(34歳)からの相談 Q. 不妊治療歴1年半です。生理周期は28~31日で、1週間程度で終わります。しかし、 6月初旬に初めての体外受精・胚移植をして陰性結果後、生理がいつもと違っていまし た。量も少なく、経血はわずか2日程度で、その後は茶色のおりものみたいなものがだら だらと続きました。 採卵や移植でたくさん刺激したことの影響だろうと、さほど気にしていなかったのです が、いつもは薬を飲まないと我慢できない生理痛が、今回は薬が必要ないくらいの痛み でした。先月同様、10日経った今もまだ少量の茶色のおりものが続いています。また、 卵巣あたりの左右下腹部がチクチク、ズキズキと痛むことも……。今月の終わりか、来月 の初めには2回目の移植予定。子宮の状態が不安定なまま移植をしても、また陰性にな るのではと不安です。ホルモンバランスが乱れているのでしょうか? このまま移植して も問題ありませんか? 子宮卵管造影検査は問題なし。子宮鏡検査でポリープ大きめが1つあるものの問題な いと放置しています。

移植後の出血や痛み

ゆのさんの、体外受精・胚移植後のいつもと違う生理について、どう思われますか?
ささ山先生 ゆのさん、体外受精・胚移植の結果が陰性で残念でしたね。
体外受精の際には、排卵誘発剤やホルモン剤をたくさん使用しますので、子宮内膜やホルモンの状態が自然のサイクルとは違ってきます。
いつもの生理とは出血や痛みの様子が異なることは、よくあることなので心配ありません。
採卵の際に、卵巣に針を刺したことによる痛みやダメージが、しばらく続くこともあります。
また、通常、刺激して腫れてしまった卵巣 が採卵後に妊娠しなかった場合、月経が始まる頃には、本来の大きさに近づきます。
しかしながら、次の月経サイクル中にも、採りきれず残ってしまった遺残卵胞等のために、卵巣が腫大していることもよくあります。
卵巣が多少腫れている程度ではまったく症状が出ませんが、かなり腫れて大きくなれば、お腹の圧迫感などで気付くこともあります。
左右下腹部のチクチク、ズキズキした痛みはそのようなことが原因として考えられますね。
今の月経サイクル中に痛みが治まれば、ま ったく問題ないとは思いますが、念のため、エコーや血液検査により、感染、それによる炎症で膿瘍ができていないか、チェックする必要はあると思います。

子宮・卵巣の状態に合わせる

生理が不安定な状態のままですが、次回の移植予定については?
ささ山先生 今月の終わりか来月に2回目の移植予定があるようですが、出血や痛みなど、気になる症状がある時は、診察の結果にもよりますが、移植周期には適さないと思います。
また、刺激周期の後の移植は、少なくとも1サイクルは空けて、本来の子宮や卵巣の状態に戻るのを待ったほうがいいと思います。
胚移植をする前の月経サイクルに、女性ホ ルモンと黄体ホルモンで子宮や卵巣の状態を整えるのもいいと思います。

子宮内膜ポリープ

出血の原因として、ほかに何が考えられるでしょうか?
ささ山先生 今回の月経の出血の様子がこれまでと違うことが、子宮内膜ポリープと関係がないとは否定できません。
子宮内膜ポリープは出血の原因にもなりますし、受精卵の着床を邪魔することもあります。
担当の医師としっかり相談してください。
体外受精は妊娠のために、大きな可能性や 希望が持てる治療です。
しかしながら、この治療は1回1回、患者さんにとって精神的にも肉体的にも、そして経済的にも負担は軽くありません。
心配や不安なことは解決して、良い体調で前向きな気持ちのなかで、体外受精をしましょう。
ゆのさんの年齢を考慮しても、不安なまま急いで次の移植を進めるより、状態を整えるほうが先決だと思いますよ。
プレママのゆのさん、自分のペースで頑張 って!
きっと素敵な明日が待っています。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。