子宮内膜症で卵巣を半分以上切除。自然妊娠の可能性は?

徳岡 晋 先生 防衛医科大学校卒業。同校産婦人科学講座入局。自衛隊中 央病院産婦人科勤務後、防衛医科大学校医学研究科に入学 し、学位(医学博士)取得。2000年より木場公園クリニック に勤務。5年間の勤務を経て2005年に独立し、とくおかレ ディースクリニックを開設。A型・みずがめ座。クリニックでは、 毎月第2・第4水曜日に院内で開催している「バレエエクササ イズ」が患者さんに好評。インナーマッスルを鍛えることで、 代謝アップや血行促進が期待できる。
はちぽさん(34歳)Q.子宮内膜症と左の卵巣にチョコレート嚢腫があり、2年前に腹腔鏡手術で卵 巣を半分以上切除しました。その後、すぐに妊娠したのですが、着床した途 端に流産。それからタイミング療法4回と体外受精(排卵誘発はクロミッドⓇ 1回、ロング法1回で、いずれも3個採卵)を行いましたが、受精したのは 1回だけで受精卵のグレードは4。結果は陰性でした。先生からは「卵子を 外に出したからいけなかったのかも。一度自然で妊娠したのだからタイミング 療法でいいのでは」と言われ、その言葉に愕然としてしまいました。それ以 来病院には行っていませんが、本当に自然妊娠の可能性はあるのでしょうか。

腹腔鏡手術と卵巣機能

はちぽさんは、腹腔鏡手術で卵巣を半分以上切除したそうですが、手術が妊娠に悪影響を与えていることは考えられますか?
徳岡先生 卵巣機能の回復に少し時間がかかるかもしれませんが、手術から2〜3カ月ほど経っていれば、妊娠に大きな影響を与えることはないと思います。
術後に一度流産されたということですが、手術からある程度時間が経っていたのであれば、手術や病状と直接の因果関係はなく、それほど心配されることはないと思います。

体外受精の有効性

体外受精を3回行ったそうですが、医師から「卵子を外に出したからいけなかったのかも」と言われたとのこと。本当にそうなのですか?
徳岡先生 これについては、この相談内容だけでは真意がわからないですね。
つまり、体外受精をしたからよくなかったということでしょうか。
もしそういう意味だった場合、体外受精がよくないということは決してないと思います。
一般的に、妊娠率が落ちてくるのは 35 歳頃といわれています。
はちぽさんは現在 34 歳なので、今こそ積極的に治療にチャレンジしたい時期です。
ご主人の精子も少なめということなので、タイミング療法や人工授精など排卵された卵子が卵管に入って、それがきちんと受精しているかどうかわからない方法に戻って時間を費やしていくよりは、やはり体外受精で治療していくほうが、私は妊娠の可能性が高まると考えます。

自分に合った誘発法を

今後はどこにポイントを置いて治療を進めていけばいいでしょうか。
徳岡先生 卵巣を半分以上切除されたということですので、確かに通常よりは採れる卵子の数が少ないかもしれません。
しかし、卵巣の半分は残っているわけですから、5〜6個採れる排卵誘発をしていけば、妊娠の可能性は十分あると思います。
これまで排卵誘発はクロミッドⓇ、そしてロング法で2回トライされて、いずれも3個卵子が採れたということですが、ロング法で3個というのはかなり少ないのではないでしょうか。
これは排卵誘発の方法が合っていないと考えられます。
この方はおそらく、ロング法での点鼻薬で排卵を抑制してしまうと卵子が減ってしまうタイプだと考えられますので、もう少しマイルドな誘発方法のほうが合っているのではないでしょうか。
当院が提案するとしたら、次回はアンタゴニスト法で誘発をして、いい卵子が採れたら胚盤胞まで育てて戻します。
34 歳でしたら、まだまだその方法で妊娠できる可能性はあると思います。
諦めずに治療を続けていただきたいですね。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。