着床しなかったのは移植後にハイキングへ行ったからでしょうか?

小田原 靖 先生  東京慈恵会医科大学卒業、同大学院 修了。1987年、オーストラリア・ロイ ヤルウイメンズホスピタルに留学し、チ ーム医療などを学ぶ。東京慈恵会医科 大学産婦人科助手、スズキ病院科長を 経て、1996 年恵比寿に開院。AB 型・ みずがめ座。今春から電子カルテや新 しい予約システムを導入予定。効率化 を図り、より患者さんが来院しやすい クリニックを目指す。
ミミさん(39歳)Q.現在、海外で体外受精をしています。体外受精は38 歳から始め、採卵 6 回、 移植 5 回(顕微授精)しました。今回初めて4個の胚が胚盤胞まで育ち、新鮮胚盤胞(5日目)を2 個移植しましたが、残念ながら着床しませんでした。移 植後4日目に6 時間ほど山へハイキングに行き、お腹が痛んだのに我慢して歩 いてしまったのですが、これがよくなかったのでしょうか。移植後 2日目の夜に は一瞬、生理痛のような鈍痛も。病院からは移植後48 時間は激しい運動やサ ウナなどは避けるように、と指示がありました。 また、次回は凍結胚を移植する予定ですが、その胚は6日目の胚盤胞。移植し ても成功率は低いですか?

移植後、安静している必要はない

移植後はしばらく安静にしていないと、着床に悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか。
小田原先生 昔は「大事にしてください」と言っていたこともありましたが、現在は移植後の安静期間は妊娠率に影響しないと考えられています。
移植をした直後にそのまま帰宅した場合と、病院で少し安静をとってから帰宅した場合と比較しても、妊娠率は変わらないというデータが報告されているんですね。
とはいえ、ミミさんの担当医の先生がおっしゃるように、やはり激しい運動などはなるべく避けたほうがいいと思います。
子宮内膜には血流を介して黄体ホルモンなどが運ばれてきます。
激しい運動をすることにより子宮に血液が届きにくい状態になってしまったら、着床にとっても当然よくないですよね。
また、十分な血流を保つという意味では、冷えも避けたいことです。
ミミさんは移植後4日目にハイキングに行かれたということですが、軽い山歩き程度ならほとんど影響はないと思います。
今回着床されなかった原因とは考えにくいですね。

新鮮胚移植後は痛む?

4日目もそうですが、2日目にも腹痛があったそうですが。これは心配ないですか?
小田原先生 新鮮胚で戻した場合は卵巣が多少腫れてしまうので、それによって卵巣に痛みを感じることがあります。
不安に思われるかもしれませんが、それが着床に関わるということはないと思います。

凍結胚移植の方が妊娠率が高い

では、移植した胚盤胞が着床しなかった原因は何なのでしょうか。
小田原先生  39 歳というご年齢を考えると、やはり卵子の質の低下が考えられます。
次回は凍結胚移植を予定されているということですが、統計的に見ると新鮮胚移植より凍結胚移植のほうが妊娠率は高いというデータが出ており、日本での治療回数も凍結胚移植のほうが多い状況になっているので、次回は期待されてもいいのではないでしょうか。
また、6日目の胚盤胞についてのご質問ですが、一概に6日目だから妊娠率が低いとはいえません。
6日目の胚盤胞でもグレードのよいものは問題なく十分な妊娠率があります。
ただし、6日目にまだ初期の胚盤胞くらいまでしか成長してないなど、分割が遅いケースでは少し厳しい場合もあるかもしれませんね。
5日目、6日目ということより、その時の胚の発育状態、あるいはグレードが重要になってくると思います。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。