初回と、2回目のヒューナーテストで精子が見つからず。 検査の結果はどのくらい目安になるのでしょうか? 大島クリニックの大島先生に詳しく聞きました。
ヒューナーテスト
ヒューナーテストとは、どんな検査なのですか?
大島先生 ヒューナーテストは、性交後の子宮頸管粘液の中に精子がどれだけいるか、それらの精子がきちんと動いているかどうかをみる検査です。
性交後、9〜 20 時間経ったところで受診していただき、子宮頸管から粘液を採取。
拡大率が400倍の顕微鏡で調べます。
判断基準は、 15 個以上動いている精子があれば良好、5個未満であれば不良と考えられています。
精子0個のケース
みーこさんは「精子が1個も見られなかった」という結果が出たということですが、そのようなケースはよくあるのでしょうか。
大島先生 当院でも、0個という結果が出るケースは時々あります。
ヒューナーテストは1回では正確な診断ができないことがあるので、当院では、そのように不良な結果が出た方にはもう1回検査を受けていただくようにしています。
しかし、みーこさんは2回続けて結果が0個ということ。
やはり何か問題があるのではと思いますが、検査の方法に少し疑問を感じます。
前日・前々日と、2日続けてのヒューナーテストというのはあまり聞いたことがありませんから。
通常は、最低でも2〜3日は禁欲してから次の性交を行っていただくので、2日連続して性交した後のヒューナーテストの値が正確かどうかは、何とも申し上げられません。
ヒューナーテスト不良の原因
結果が不良となってしまう場合、どのような原因が考えられますか。
大島先生 頸管粘液は通常は弱アルカリ性に保たれていますが、腟内で大腸菌や雑菌などの感染があると pHが下がり、酸性に傾いてしまいます。
すると、精子に悪い影響を及ぼし、運動率が下がってしまうことがあるんですね。
数については、精液検査が不良の方はヒューナーテストでも精子が見つからないということはありますが、みーこさんのご主人は精液検査では異常は見られなかったとのこと。
ご本人が危惧されているように、射精がうまくいかなかったという可能性も考えられると思います。
男性側が「射精できなかった」と申告しないかぎり、中できちんと射精しているかどうかは女性にはなかなかわかりにくい部分がありますから。
再検査の必要性
もう一度ヒューナーテストをしてみたほうがいいのでしょうか。
大島先生 そうですね。次回はこれまでと条件を変えて、排卵日が近くなってから2〜3日禁欲して行ってみてはいかがでしょうか。
また、頸管粘液を採取する時も1カ所だけではなく、腟内と子宮口の2カ所から採取してみる。
腟内には精子がいて、子宮口にいなかったら射精の方向が悪いのかもしれませんし、どちらにもいなければ射精していないかもしれないなど、射精の状況についても推測できるのではないかと思います。
※子宮頸管粘液:子宮頸管内膜の腺から分泌される粘液。エストロゲン分泌量の増加とともに頸管粘液の量は増加し、排卵期に最大となる。同時に性状が変化し、牽糸性増加して精子が通りやすい状態になる。