ヒュナーテスト1回の結果で人工授精をすすめられたけど……?

京野 廣一 先生  福島県立医科大学卒業後、東北大学医学部産科婦人科 学教室入局。体外受精の第一人者、鈴木雅洲教授に学ぶ。 1995 年、レディースクリニック京野(大崎市)開院。 2007年、京野アートクリニック(仙台市)開院。悪性腫 瘍を持つ患者さんを妊娠させる技術の研究にも力を入れ、 国内外の学会でも精力的に論文を発表している。
ちみこさん(31歳)からの投稿 Q.子どもを希望してから6ヶ月、治療を始めて3周期目です。 タイミング法3周期目でのヒュナーテストが不良で自然妊 娠が難しいとのことで、4周期目からは人工授精をすすめ られました。主人が反対したため今回は見送りましたが、 ヒュナーテスト1回の結果で人工授精をすすめられるのは 普通のことなのでしょうか。

ヒューナーテストについて

通常、ヒュナーテストは1回だけで診断を下すものなのでしょうか。
京野先生 施設や医師の考え方によって違いはあると思いますが、1回だけで判断することはあまりないと思います。結果が良ければ1回で終わりになりますが、不良であれば再検査をすることが多いですね。
ちみこさんの場合、精子ははっきり確認できないけれど、抗精子抗体の検査は陰性とのことですが……。
京野先生 精子に対する抗体があると受精を妨げてしまうので、抗精子抗体検査が陽性の場合は人工授精を飛び越えて、体外受精へステップアップすることになります。
ただし、陽性になるのは100人に3人程度と、あまり頻度は高くありません。

ヒューナーテストの信頼性

ヒュナーテストは信頼度の高い検査といえますか?
京野先生 そこは難しいところですね。
ヒュナーテストは、性交の後に腟部、子宮頸部、子宮体部の3ヶ所から粘液・体液を採取して、精子が正常に子宮内に到達しているかどうかを調べるのが厳密な方法です。
ただこのやり方だと、採取する際にそれぞれの箇所の液が混ざってしまうことがあるんですね。
そのため、100%厳密な検査とは言い切れない部分があります。
また、患者さん側の要因により、1回では正確な結果が出ない場合もあります。男性の体調が優れないときは悪い結果が出ることがありますし、女性が因子になることも。
排卵が毎回同じ時期にきちんと来る方ならいいのですが、排卵日が 12 日目にあったり、 16 日目にあったり……と、排卵のタイミングが合わない場合、どうしても頸管粘液が少なくなりますから、その影響が検査の結果に反映されてしまうことがあります。

治療方針は、年齢を加味して

ちみこさんやご主人は人工授精へ進むことを迷っていらっしゃるようですが、先生だったら今後、どのような治療方針を立てられますか?
京野先生 通常の夫婦生活があれば1年で8割、2年で9割の方が妊娠されるということを考えれば、やはり何かしらの原因があることは確かだと思います。
ヒュナーテストを再検査する意味はあると思いますが、ステップアップを焦りすぎることはないと思いますね。
やはり不妊治療は納得していただいたうえで進めていくことが重要だと思います。
女性が 31 歳、お子さんを希望して6ヶ月ということですから、あと半年程度はこのまま経過をみてもいいのではないでしょうか。
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不妊治療に関するドクターの見解を取材してきました。