治療やストレスで、体も心も 不安定になりがちな不妊治療。 特に最初は不安がいっぱい……。 今回の秀子先生のお話は、 不妊治療を始めるときの 最初の心構えについて。 ビギナーのジネラーたちへ 厳しくも温かいメッセージです。
自分の排卵日がいつか わかりますか?
不妊治療を始めるにあたって大切なのは、まず自分の体を知ることです。そのとき、決して〝不妊症の勉強〞をしてはいけません。それよりも、月経とは? 排卵とは? つまり女性の体について知っているほうが賢明です。
そこへ自分の体の様子や変化をどんどん書き込みましょう。おりものの量や色の変化、胸の張りなど、排卵の兆候というのは必ずどこかにあるはず。「何となくおりものが増えてきたな」とか「何となく体温が上がってきた」とか「あ、これが排卵なんだ」とわかってきます。
女性の体は決して体温で排卵しているわけじゃない。体温が上がったときに初めて「排卵が終わった」ということを確認できるだけ。ですから、体の変化に今まで気づかなかった人は、特に体の変化に敏感になってほしいですね。病院に来るときは、自分で「排卵日はここだろう」というところまではわかる努力をしてみてほしいな。そうすれば、治療に入るのもスムーズですから。
「生理は来るもの」と思って 治療をすることが大切
次に、病院には何のために行くのか、ということを考えてみてほしいのね。本来は「悪いところがあったら見つける」のが病院なのに、「どこも悪くない」と言ってほしくて来る人が多いんです。病院は決してお墨付きや太鼓判をもらいに来るところじゃない。「悪いところが見つかったら、何か言われたらどうしよう」と思うなら、その人はまだ病院に行くのは時期尚早かもしれないわね。
女性の一生のうちで、来るはずの生理が来ないのは、妊娠するときのせいぜい2〜4回くらいなわけ。それが、治療を始めてすぐの「今」でなくてもいいんじゃない? と自分に言い聞かせてみませんか? そんなに焦らないで。まず生理は来るものと思って治療を始めてください。
秀子の格言
これから病院に行く人は、 不妊ではなく、 まず自分自身を知ることが大切。