医者からは、そろそろ次の段階へと言われるけれど、 体外受精となると、急にハードルが高くなる。 少しこわい。費用だって心配……。 そんなジネラーたちの、悩ましいモヤモヤを背負い、取材部は旅立ちました。 目指すは広島! いざ、高橋克彦先生のもとへ!
日本の体外受精黎明期
先生が体外受精への取り組みを始められたころというのは、どんな状況だったんでしょう?
「1984年でしたか。当時の日本はまだ初期の段階。いくつかの大学病院で、やっと手がけ始めたばかりでした」
以来、ずっと、体外受精の実績を積んでいらっしゃったんですね。今日は、先生に、ぜひお伺いしたいことがあるのです。この投稿を見てください。日本で体外受精が始められて 20 数年がたった今でも、そこに踏み切るには、勇気がいるのが現実です。いつ決心したらいいのか、そうまでする必要があるのかと迷う声が、たくさん寄せられています。
体外受精の適応
「ええ、それはわかります。でも、結論を言えば、一般不妊治療を1年続けて妊娠しなかったら体外受精をというのが私の考えです」
1年というのは、投稿にコメントを寄せているゆうこさんたちと比べると短いですね。
「この方たちは、とても大変でしたね。だからこそ、私は、なぜ人工授精を何度しても妊娠しないのかを考えてほしいと思うのです。夫婦とも何も異常がなければ、80 %のカップルが1年以内に自然妊娠するのですよ」
ジネコのアンケートでは、AIH3回以下で妊娠できた人はわずか 27 %です。ユーザーさんの3人に1人は、7回以上続けています。
「AIHの妊娠率は1回あたり10 %以下と低いのが現実です。これは、やはりカップルのどちらかに何らかの異常があるということを示唆しています。原因不明のまま、時間ばかりかけるのは賛成できません。おおよその目安として、35 歳以下の方ならAIHは6回くらい。それ以上の方なら、同じ治療は3回まででステップアップを考えてください。タイミングや排卵誘発など順番にやっていけば、あっという間に1年が過ぎてしまいます」
体外受精のメリット
「本当の不妊原因がわかるからです。最初の体外受精で3分の1のカップルが妊娠します。この方たちは卵管が正常に機能していなかったため、AIHでは妊娠しなかった。体外受精は卵管を使わないで妊娠する方法ですからね。もう3分の1は受精はしたけれど、初回では着床しない例。この場合、凍結胚移植が有効です。 37 歳以下の場合、3回目までの胚移植で約7割が妊娠します。最後の3分の1については、受精率が悪い、良質卵が採れないなど、体外受精によってそれぞれの原因がやっと明らかになるのです」
「いいと思います」
ユーザーさんたちは、ラパロへの関心もとても高いです。