【Q&A】高グレード胚が陰性だった理由~池永晃大先生【医師監修】

eriさん (39歳)

これまでずっと、3BC等の低グレードが続いて来ましたが、今回初めて5ABが2個出来て、移植しました。
先生にも、太鼓判を押してもらいましたが、結果は陰性でした。
保険内の移植も残り2回となり、大変焦っております。

今後のために、何か出来る事はあるでしょうか?サプリメントや検査、治療方法など、アドバイスをいただけたらと思います。

馬車道レディスクリニックの池永先生に聞いてみました。

【医師監修】馬車道レディスクリニック 池永晃大 先生
東京慈恵医科大学医学部卒業。東京慈恵医大産婦人科、恵愛生殖医療医院、獨協医科大学埼玉医療センターリプロダクションセンターを経て、馬車道レディスクリニックに副院長に就任。
日本産婦人科学会産婦人科専門医。日本生殖医学会生殖医療専門医。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

高グレード胚が陰性だった理由について考えられる要因は何でしょうか?

体外受精胚移植による治療によって妊娠成立に至るには、移植する胚と子宮内の環境がどちらも問題ない状況でなければなりません。女性側の年齢が上がるにつれて、たとえ高グレード胚であっても実は染色体異常のある胚の割合は上がってしまいます。染色体異常はいわば受精卵の設計図の異常になるため、胚に染色体異常がある場合は移植をしても着床しなかったり流産の原因となります。また、子宮内フローラが0ということでしたので、もし子宮内の善玉菌であるラクトバチルス(乳酸菌)の割合が0%である場合は子宮内に悪玉菌が増えている可能性が高く、子宮内に炎症を起こしてしまうため、高グレード胚を移植しても妊娠成立に至らない場合があります。出産や子宮鏡手術、流産手術などがきっかけとなり、子宮内細菌環境が悪くなる場合があります。

●残りの保険内移植を成功させるための具体的な方法について

まず子宮内の環境を整えてから胚移植に臨むことが必要です。子宮内フローラが0であり、ラクトフェリンを服用いただいているとのことでしたが、ラクトフェリンは善玉菌であるラクトバチルスを育てるための栄養にあたる成分です。直接子宮内のラクトバチルスを体内に補充したい場合はプロバイオティクスなどといった、ラクトバチルス配合のサプリメントの摂取が必要です。ラクトフェリンとプロバイオティクスを両方併用することによって、子宮内のラクトバチルスの割合は増加し、子宮内の環境が整います。
また、子宮内フローラ検査でいわゆる悪玉菌が検出された場合は、それらに対して有効な抗生剤を内服することで悪玉菌を除菌し、善玉菌であるラクトバチルスが増えやすい状況を作ることができます。

●サプリメントの摂取が移植成功に寄与する可能性

サプリメントの種類によって、効果はそれぞれ異なります。eri様の移植成功に寄与する可能性の高いサプリメントとして考えらえるのは2の回答でも述べましたがプロバイオティクスとラクトフェリンの併用になると思います。また、他に服用していただいているサプリメントも継続していただくのが良いと思います。

●移植成功率を上げるために推奨される生活習慣や食事改善についてのアドバイス

移植成功率は、移植する胚の質に左右されます。卵子の質は酸化ストレスや加齢によって低下すると言われています。体に酸化ストレスをためないためには、禁煙はもちろんですが、適度な運動も必要だと言われています。短時間でもいいのでウォーキングなどしてみるといいかもしれません。バランスの良い食事や十分な睡眠も心掛けるのがよいでしょう。

●移植前に行うとよい検査について

子宮内フローラ検査でラクトバチルスが0であった場合は、サプリメントを服用してもまだラクトバチルスの割合が低い可能性があります。できれば子宮内フローラ検査をもう一度行い、子宮内の環境をもう一度見直してみるのがよいと思います。

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