何を・どう食べるのが正解? 妊活と栄養

妊娠しやすい体をつくるためには、毎日の食事でどんなものを食べたらいいのでしょうか。管理栄養士の篠原絵里佳先生に、妊活中の食事について教えていただきました。

フィーカ レディースクリニック管理栄養士篠原 絵里佳 先生
総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験を活かし、プレコンセプションケアの大切さを、栄養と食事の面から発信。フィーカ レディースクリニックでは、不妊に悩む患者さんの栄養相談や妊娠しやすい体をつくるための食生活を提案。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士の資格ももつ。

栄養素は単体では働かない!

妊娠しやすい体をつくるために大切な栄養素は、いろいろあります。ただ、栄養素は単体で働くことはできません。一緒にほかの栄養素を摂り、そのバランスが整った状態で初めて体の中で働きます。
また体内に摂り入れた栄養素には、使われる優先順位があります。一番優先されるのは、心臓を動かすなど生命の維持にかかわることに使われます。妊娠・出産は生きるうえで常に必須な活動ではないため、妊娠や出産にかかわる卵巣や子宮に栄養がまわってくるのは後のほうになってしまいます。ですから妊活中は、さまざまな栄養を十分に摂ることが大切なのです。

必要なカロリーをしっかりと

毎日の食事では、3食きちんと摂ること、そして、必要なカロリーを摂れているかを確認してください。今はカロリー不足の人が多く見受けられます。カロリー=エネルギーなので、不足していると体の機能が正常に働かなくなります。お米をはじめとした糖質を含んでいる主食は必要量をしっかり摂るようにしましょう。次ページ上段で紹介している栄養素も妊活に大きな役割を果たすにもかかわらず、不足しがちな栄養素です。
食事は、主食、主菜、副菜を揃えること、そして毎回同じ食材ではなく、いろいろな種類の食材を食べるよう意識してください。たとえばたんぱく質は、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品に含まれていますが、2〜3日を振り返って、多様な食材から摂るようにするといいですね。
それでも足りない栄養素がある場合は、サプリメントで補うといいでしょう
自分に足りていない栄養素がわからない場合は、専門機関の栄養相談を活用してみるのも一つの方法です。フィーカ レディースクリニックでは、妊活中の方へのアドバイスも行っていますので、ぜひご相談ください。

主食で体を温めよう

冬は冷えも気になりますね。体を温めるには、白米やそばなど主食をしっかり食べることが大切です。主食から摂れる糖質はエネルギーになって体を温めてくれます。また糖質があることでたんぱく質が体の中できちんと活かされるようになります。「家」にたとえるとたんぱく質は木材で、糖質は大工さんです。どんなに良い木材を集めても、組み立てる大工さんがいないと家は建ちません。

 

毎食完璧でなくてもOK

主食、主菜、副菜を揃えるのが理想とはいえ、忙しい毎日では完璧にするのは難しいですよね。そんな時は1日3食のうち1食だけでも栄養を意識して食べるようにしてください。たとえばお昼に外食でパスタを選ぶ時も、野菜や肉、魚介などの具がたっぷり入ったメニューに。家からおにぎり等のお弁当を持っていく時は、コンビニでお惣菜を買ってバランスを整えるといいでしょう。
栄養バランスが整っているかを確認するには、食べたものをスマホのカメラで撮影しておくと、簡単に振り返ることができますよ。

 

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

全記事、不妊治療専門医による医師監修

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