【Q&A】保険内はあと1回…体外受精前に受けるべき検査~福田雄介先生【医師監修】

いちさん (41歳)

現在41歳で、体外受精を2回したため、保険内ではあと1回しかできません。
その1回を大切にしたいので、不妊の原因を探るための検査をしたいのですが、どの検査をしたらいいのでしょうか。

着床すらしないので、子どもがいない人生を考えなければいけないのかと思うと恐怖を感じます。
金銭面に不安があるので、どんな検査があるのか、検査内容と金額を知りたいです。

なるべく保険内でおさめたいのですが、そうとも言えないような状況と思っています。
また、現在通っている病院の生殖医療が年内で終了してしまうので、転院も考えた方がいいのかと迷っています(採卵は9月までといわれています)。
AMHも低く、卵が2〜3個しかできません。
その他、移植前の検査では問題なしで、子宮筋腫はありますが「妊娠には問題ないだろう」と言われています。

現在は凍結した卵はないので、検査をしていくか、採卵して凍結しておくか、転院して新たな所で進めて行くか、今後どうすればいいのかと悩んでいます。

福田ウイメンズクリニックの福田先生に聞いてみました。

【医師監修】福田ウイメンズクリニック 福田 雄介 先生
東邦大学医学部卒業、東邦大学医学部大学院修了。医学博士(東邦大学 平成22年)。米国ペンシルベニア大学生物学教室留学、東邦大学医学部産婦人科学教室講師などを経て福田ウイメンズクリニック副院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医。日本生殖医学会認定生殖医療専門医。日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●不妊の原因を探るための検査として、どのような検査を提案されますか?検査内容とそれにかかる金額について、詳しく教えてください。

着床不全の検査として、子宮内腔の状態をファイバースコープで観察する子宮鏡検査があります。保険適応で患者さん3割負担で4,000〜5,000円程度です。 ポリープなどが見つかり切除するとポリープの場所にはよりますが、10,000〜30,000円程度となります。
保険適応外の検査としてTRIO検査(ERA検査、EMMA/ALICE検査)があります。ERA検査は受精卵を子宮内に移植するタイミングが合っているかどうかの検査になります。EMMA/ALICE検査は子宮内の細菌叢の状態、慢性子宮内膜炎の原因菌の有無を確認します。これらは先進医療になりますので自費の検査となり220,000円になります。ご自身で医療保険に加入している場合はカバーされることがあります。
●低AMHで卵が2〜3個しかできない場合、最適な治療方法は何でしょうか?

卵巣刺激は月経3日目の状態で相談となりますが、保険での移植があと1回というところでは双子のリスクを考慮できるなら胚の2個移植を検討します。


 

●現在の病院での治療継続と転院の選択について、アドバイスをお願いします。

現在の病院が9月までの採卵ということなので、移植まで年内に完了することも可能かもしれませんが、時間的にギリギリかもしれません。採卵して凍結しても移植ができないと胚移送となってしまうかもしれないので、現在通っている先生とよく相談して転院するのであれば、紹介状と今までの検査結果などを持参することをおすすめします。

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