第二子を望み23回採卵するも失敗。 高刺激法を試すべき?

相談者 :カーネーションさん(39歳)
▶︎高刺激法の体への影響について
第一子は初めての採卵で出産。第二子に向け23 回(毎回ほぼ1、2 個)採卵しましたが、空胞、受精できない、発育不良などで凍結に至らず。24 回目は高刺激法を提案されましたが、体への負担、早期閉経が心配です。AMH 値2.56ng/ml、卵子の老化、20 代で多囊胞性卵巣症候群と診断されたことが影響しないのかも不安です。先進医療含め確率の高い治療を望んでいます。転院も考えています。ほかに何かできることがあれば、それも教えていただきたいです。
【医師監修】神谷レディースクリニック 岩見 菜々子 先生
札幌医科大学卒業。2014 年より神谷レディースクリニック勤務。日本生殖医学会生殖医療専門医。日本産科婦人科学会認定専門医。日本抗加齢医学会専門医。臨床遺伝専門医。

高刺激法はカーネーションさんの体に負担をかけることになりますか?

岩見先生●高刺激法による卵巣過剰刺激症候群(OHSS)発症リスクの説明を受けて不安を感じていらっしゃるのかなと思います。これは採卵後に卵巣の腫れや腹水がたまることでお腹の張りなどの症状が出るもので、まれに重症化して血栓症のリスクが高まることもあります。でも、いまはOHSSの原因や予防法がわかっており、適切な予防策をとった高刺激法なら発症は5%以下といわれます。OHSSのリスクを避ける高刺激法としては、ヨーロッパ生殖医学会のガイドラインが推奨するアンタゴニスト法や、黄体ホルモン併用卵巣刺激法などが挙げられます。さらに、採卵時のトリガー調整で安全性はより高められます。もともと日本の高刺激法の注射薬の用量は海外の4分の3から2分の1で中刺激といえるものです。体への負担以外でいうと、連日の注射が少し精神的ストレスになるかもしれません。 閉経については、早まる心配はないでしょう。カーネーションさんの卵巣にはまだ数万個の卵子が残っています。毎月10個の採卵が閉経を5年、10年早めるとは考えられません。1、2年早まるのは誤差の範囲内だと思います。

高刺激法はカーネーションさんに向いていると思われますか?

岩見先生●AMH値が2・56ng/mlと、年齢にしては高いので向いていると思います。多囊胞性卵巣症候群の診断を受けたことがあっても、1回の採卵数が多ければ良い卵子が採れる確率は上がります。39歳で1個の正常胚を得るために必要な採卵数は最低20個とされます。1回10 個以上採卵すれば2回ですみますが、1回1個では20カ月、いまからですと42歳近くになってしまいますよね。高刺激法なら目標採卵数を30個としても2、3カ月。卵子の老化を考えると、1カ月でも若い卵子を多く採ることがいいと思います。

高刺激法のほかに何かアドバイスできることはありますか。

岩見先生●先進医療を取り入れながら、高刺激法で実績のある施設での治療を考えてみてはいかがでしょう。受精しない、受精卵の分割が進まない場合は先進医療が有効と考えます。たとえば、精子の選別ですね。ヒアルロン酸を用いた選別(PICSI)やマイクロ流体技術を用いた選別で成熟した精子を選んで、高刺激法で複数採卵した中から選んだ質の良い卵子に受精させる方法は、試す価値があると思います。

>全記事、不妊治療専門医による医師監修

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