【Q&A】PGT-A胚移植でも着床せず…原因は?~向田先生【医師監修】

えさん(35歳)

内膜炎検査、EMMA、ERA、ALICE検査は必要でしょうか?その他、不育症検査で必要なものがありますか?

痩せ家系で幼少期から痩せているが生理不順はなし。食事量が過度に少ない事はなく、体重増加用のプロテインを毎日飲んでいますが体重は増えません。妊娠に体重増加は必要でしょうか?
毎回同じ薬剤での治療ですが、薬剤との相性はあるのか、もしあるのなら今の病院での治療では限界がありそうです。

PGT-Aをしていても着床しない、流産を繰り返す場合に選択される治療は何でしょうか?
夫の精子状態、自身の卵子の状態が悪い場合、受精後に胚盤胞になりPGT-AでA判定が出ていても、妊娠できませんか?

TESEをしている為、顕微授精→胚移植ですが、私自身に卵管水腫や卵管閉塞があれば着床率、流産率に何か影響はありますか?
内膜炎検査をするとその周期は移植が出来ないので時間が勿体無いように感じます。
自費治療の場合でも検査なしに薬を処方する事は可能ですか?

通院しているクリニックでは移植時オプションはヒアルロン酸培地、AHA以外は基本的にはやっていないそうです。
他のオプションも依頼してみるべきですか?

広島HARTクリニックの向田哲規先生に伺いました。

【医師監修】広ク  向田 哲 先生
高知医科大学卒業。同大学婦人科医局に入り、不妊治療・体外受精を専門 にするため、1988年アメリカ・マイアミ大学生殖医療体外受精プログラムに在 籍。1990年から5年間NY・NJ州のダイヤモンド不妊センター在籍後、1995年 広島HARTクリニックに勤務し、現在院長として臨床に従事。

※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

子宮内フローラの検査は必要だと思います。
ERA検査に関しては、近年は有用性を疑問視する論文も多く、周期により結果に差異があることがあるので、どの時期に着床しても良いように2段階胚盤胞移植などで対応することも一つの方法と考えます。
効率よく治療するならば、受精卵側と子宮側に分けて治療方針を考えていくのがいいと思います。
AMHは低いようですが、35歳で胚盤胞が得られているのでPGTを積極的に行い(35才なら得られた胚盤胞の約3分の1が染色体異数性がない移植可能胚と診断されるため)、子宮側の治療としては、複数回の着床不全があり、卵管水腫があるようなので、卵管切除したうえで子宮内フローラを整えることが有効だと考えます。

卵管水腫はその内溶液が子宮内へ流入することにより着床不全や流産の原因と考えられます。
不育症の検査としては免疫系、凝固系、抗リン脂質抗体などを調べておく必要があります。
精子に問題があるとしても、胚盤胞まで発達しているのであれば大きな問題はないと考えます。
体重に関してはやせすぎも太りすぎも妊娠率には影響が出るかもしれませんが、増やすことにストレスを感じるのであれば、適度な努力で体重増加を目指すようにする程度ではいかがでしょうか。
移植時のオプションとしては移植日の朝にHCGの注入なども申し出てもいいかもしれません。

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