妊活中の人もこれから始める人も、お互い相手の気持ちや考え方って理解してる?妊活は二人が協力して進めていくもの。気持ちを一つにするために、あらためて話し合ってみませんか?
わかってくれないという悩み、とことん話し合って解決しよう
夫婦間のコミュニケーションについて、2023年冬号の企画でとったアンケートでは約4割の女性が、「コミュニケーションがうまくいかない時がある」「気持ちの共有が苦手」と答えていました。また、男性のほうも、「二人でよく話をするが、妊活の話題になると言葉を選びながらになる」、「言いたいことを伝え合っているが、うまくいかない時もある」という声をあげていました。読者アンケートでも毎号のように、「夫が治療のつらさをわかってくれない」「共感してくれていない」というような声が届いています。 そこで! お互いに気持ちを確認し合う場を改めて作ってみては?というご提案をします! 「相手はどう思っているんだろう」、「これ言っていいのかな?」など、聞いてみたいことや、ちょっとモヤっとする部分を、あえて話し合いの場をつくり、一つひとつ確認してみませんか? そして、スッキリ新たな気持ちになって妊活をリスタートしましょう!
いつどうやって切り出す?どれくらいの頻度でやる?話し合いが良い結果につながったユーザーさんに聞いてみました!
CASE 1 家族会議で夫との絆が深まりました
話し合いをもとうと思ったきっかけは?
YouTubeなどで女性と男性で妊活の温度差があるというのをよく見るけど、自分たちもそうだなと。私は妊活に前のめりになって、夫はそれほど気合いが入っていない。そこに温度差を感じてモヤモヤしていたのと、自分の妊活に対する想いをすり合わせをしたいと思いました。
どうやって話し合いを切り出した?
自分は仕事ではリーダー的なポジションが得意で、夫婦の話し合いにおいてもその役割を担ってもいいかなと思い、家族会議をやろうと切り出しました。パワポでプレゼンテーションシートを作って、まず「妊活の進め方とか、テーマを一緒に考えたい」と伝えました。 そして今、自分が負担に思っていること、スケジュールを調整しないといけないこと、ホルモンバランスによって気持ちの浮き沈みが激しいことの3点を、10分くらいつらつらと伝えました。
その時のご主人の反応は?
すごく堅苦しくなってしまって、夫はピンときていなかったようです。でも私が妊活をどうにかしたいという思いはその時にふわっと伝わったみたいでした。私の訴えに対してどうこうというよりは、前のめりになっている私を改めて認識したみたいです。 最初の会議で、①タイミングを取る時はお互いなるべく頑張る、②月1回話し合いの場を設ける、③タイミング療法は半年間やる、という3つを決めました。「まずは二人で決める」ということができたのはとってもよかったです。
家族会議の頻度は?
最初は月1回でしたが、徐々に増えていきました。男性は会議は時間を決めるほうがやる気が出るみたいで、最低月2回、30分実施しようとなり、さらに病院に行った後は15分で共有しよう、となっていきました。
話し合いのテーマで良かったものは?
●リセットが来た時にどう過ごすか。私はただただ話を聞いて共感してほしいということをリクエストとして出しました。男性はアドバイスをしようとしてしまいがちですが、私はそれは求めていない、私の悲しみに寄り添ってほしいと。そして、二人でお寿司を食べようと決めました。
●妊活をプロジェクトとして考え、二人で取り組もうと話して、役割分担したこと。私は病院に行くという物理担当と結果報告担当、夫はメンタルサポート担当として、私にヒヤリングを積極的にしましょう、そして物理担当の私に対して感謝をします(笑)、みたいな話をしました。
●スケジュールを共有。排卵日や、生理の日、タイミングのスケジュールを紙に書いて可視化することで、一緒に取り組むことができました。
家族会議、やって良かった?
妊娠するための準備期間に会議を通して、「相手が今どういう気持ちなのか」ということをお互い気遣い、絆を深められたことはとてもよかったと思っています。一つの叶えたいことに対して二人で一生懸命取り組むことができました。
妊活中の人にアドバイスを!
最初は何を話したらいいかわからないと思うけど、まず1回やってみることが大事。ノートとペンを持って、自分の気持ちをノートに書いて夫に見せることから始めてもいいかなと思います。やっていくうちにこれも話そう、共有したほうがいいなということが出てくるようになると思います。 妊活は女性だけでなく二人でやっているということを忘れずにいてほしいですね。
CASE 2 データやグラフを使って理解してもらいました
話し合いのきっかけは?
独身の時から子宮内膜症の治療をしているので、「子どもを授かりにくいかもしれないから、検査を受けようと思うんだけど」と切り出したところから始まりました。
話し合いの頻度は?
私たち夫婦は割とよく話をするほうなので、夜ご飯を食べている時やお皿を洗っている時、ドライブの時などに、治療について私と同じ温度感になってくれるように少しずつ話をしていきました。夫もおしゃべりさんだし聞き上手なので、今もですが、ほぼ毎日話していると思います。
話し合いのテーマで印象的なものは?
●夫の検査について。先生から精液検査もしたほうがいいと言われたのですが、それは伝えにくくて。「不妊の原因って女性だけじゃなくて、男性も半分くらいあるらしいよ」というような話を少しずつ入れていきながら、夫の休みの日の通院に「心細いからついてきて」とお願いし、先生から話をしてもらいました(笑)
●人工授精へのステップアップ。精子の数値はギリギリだったのですが、夫は前向きにとらえていたので傷つけるようなことは言わず、リセットが来た時に「先生もすぐ人工授精に進んだほうがいいと言ってるけどどうする?」と話しました。夫は理数系の人なので、タイミング法の一般的な回数や、年齢に対する頭打ちの回数を調べて、データを見せたりしながら伝えました。
●体外受精へのステップアップ。数字やグラフでいろいろなデータを見せたり、人工授精の妊娠率などを伝えたら、「うちの場合は体外受精したほうがいいかもね」となってくれました。 男性、特に理数系の人はデータがあると納得してもらいやすいと思います。
話し合いをして良かったと思ったこと
男の人って弱みを見せられないですよね。仕事でも妊活でも。だから彼自身が不妊治療についてどこまで苦しんでいて、悩んでいるかわからなかった。流産した後は尚更でしたが、何回も何回も聞いていくなかで、夫もうまくいかない状況に悩み苦しんでいること、それでも子どもを望む気持ちが強いことを知った時、私は1人じゃないと思えて救われた気がしました。 あとは、自分が不妊ということを受け止められなくて元気を装っていたのですが、初めて夫につらいと言えた時、「つらいのは当たり前だよ」と受け止めてもらえたのがありがたかったですね。弱音を吐いていいとわかり、気持ちをため込まないようにできたのはすごく救いでした。
気をつけていることは?
私は相手の状況も考えずに自分の言いたいタイミングで話し始めてしまっていたのですが、夫は相手の状況を見ながら、「今声かけていいかな」とか、「こんな話していいかな」というのを考えるタイプ。 夫からそういうことを学んで、疲れていそうな時はやめておこうなど、私もやり方を習得していきました。
妊活中の人にアドバイスを!
いつもと違う場所や雰囲気の中で話すのもおすすめです。私たちの場合はカフェに行くのが好きなので、カフェで話すとお互いの本音が出てきやすくなったりしていました。 治療中は自分の悪いところを探しがちですが、幸せの形はたくさんあるので、もうすでにたくさんの幸せを持っていることに気づいて、感謝できるところをいっぱい探せたらお互いに優しくなれるのかなと思います。