刺激強めで5個採れたが受精しなかったり、分割しない、というのが2回続きました。
3回目、4回目はクロミッドとゴナールエフで誘発し、採卵は2-3個で胚盤胞まで育ったのは1個でグレードCC。
誘発方法が合っていないのか、良好グレードがなぜ育たないのかが悩みです。
浅田先生に聞いてきました。
名古屋大学医学部卒業。1993 年、米国初の体外受精専門施設に留学し、主に顕微授精を研究。帰国後、日本初の精巣精子を用いた顕微授精による妊娠例を報告。現在、愛知県の名古屋駅前、勝川、東京・品川にクリニックを開院。著書に『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)など多数。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。
先進医療を含めて少しでも確率の高い治療を希望されていますが、AMH値が不明なので、まずはAMH値を測ることをおすすめします。
不妊治療の先進医療は、ほとんどエビデンスの無い治療ですので妊娠の確率が高くなるわけではありません。ただ、先進医療の中のタイムラプスインキュベーターについては、通常のインキュベーターと比べ培養技術が高くなりますので、少なくともタイムラプスインキュベーターを使用している施設で治療をされたほうがよいと思います。
“なかなかよい胚盤胞ができない”ということですが、胚盤胞に到達する確率を上げるためには、卵巣刺激で成熟率のよい卵子を採ることにつきます。卵子の成熟というのは、りんごねーさんさんの中で40年間休止状態であった卵子の遺伝子を再稼働して使える状態にすることですから、卵巣刺激の力量が大切です。そのうえで培養技術により、受精率・胚盤胞到達率・胚盤胞のグレード等も変わってきます。
良好グレードの胚が育つかどうかは、レベルの高い卵巣刺激ができるかどうかで決まり、胚盤胞到達率は培養技術により決まりますので、医師と胚培養士の技術が高い施設で治療をされることが、良好胚を得ることに繋がると思います。
卵子の質を向上するライフスタイルの改善策はありません。妊娠後、赤ちゃんのための体づくりをすることにエビデンスはありますが、妊娠率を向上させる体づくりのエビデンスはありません。
巷に色々あるビジネス的なコマーシャルに翻弄されず、エビデンスに基いた不妊治療を選択して、無駄なお金を使うことなく早く結果を出してほしいと思います。