【Q&A】胎児の染色体検査~北村先生【医師監修】

リプトンさん (34歳)
夫が、次回の採卵もサプリ等が変わるわけではないので治療方針に疑問を持っていて、クリニックを変えるべきか迷ってしまいます。また次も妊娠しなかったら、このままの治療でよいか自分も不安です。
また、夫が不妊治療を始める条件として、妊娠したら子どもの障害があるか検査をすることでした。
仕事が忙しく育児になかなか協力できないのと、転勤族で住む場所がよく変わるので、そのなかで育てるのは親子ともに大変だからです。私もそれには同意しているのですが、妊娠してないので今の先生になかなかそのお話をすることができず、それは早めに話すべきですか。またいつその検査はできますか。

北村 誠司 先生に聞いてみました。

【医師監修】明大前アートクリニック 北村 誠司 先生
1987年慶應義塾大学医学部卒業。2008年荻窪病院虹クリニックを開設。退職後、2018年明大前アートクリニックを開設。1989年からIVF及び内視鏡下手術に従事。子宮鏡下手術による胚移植の改善、腹腔鏡下手術による子宮筋腫、内膜症の解消、改善を積極的に図って来ました。体外受精での妊娠困難症例に対しても新しい治療法を取り入れています。
※お寄せいただいた質問への回答は、医師のご厚意によりお返事いただいているものです。また、質問者から寄せられた限りある情報の中でご回答いただいている為、実際のケースを完全に把握できておりません。従って、正確な回答が必要な場合は、実際の問診等が必要となることをご理解ください。

●リプトンさんの現在の治療方針について、先生から見て何か改善点や変更すべき点はありますか?

1回目の移植胚が8G3と良好胚ではなかったので、次は胚盤胞移植が順当な方針と思われます。

●再度妊娠しなかった場合、同じ治療を続けることは適切でしょうか、それとも何か他の治療法を試すべきですか?

受精率が低ければ、卵子活性化(カルシウムイオノフォアの使用)やPICSIも有効です。

●子どもの障害の検査について、具体的な方法やタイミングを教えてください。また、リプトンさんが妊娠した際に障害の有無を調べる検査を行うことについて、先生の考えをお聞かせください。

こどもの(胎児の?)障害とは、おそらく染色体異常を指していると思います。次の移植が不成功だった場合にはPGT-Aが可能となりますが、保険診療を希望とのことなので対象外になると思われます。
NIPT (非侵襲性出生前診断)は、妊娠10-16週に受ける血液検査です。
絨毛検査は、妊娠11-13週に受ける侵襲的検査で局所麻酔下に子宮内の妊娠絨毛を一部採取します。
羊水検査は、妊娠16週以降に受ける侵襲的検査で局所麻酔下に子宮内の羊水を採取しますが、絨毛検査より一般的です。
エコーでは、妊娠8週くらいから異常が見つかることもありますが、10-14週くらいから胎児異常の有無を調べ始めることが多いです。

●障害の検査を希望していることについて、主治医の先生に話すのはどのようなタイミングが適切でしょうか?

主治医に検査の話をするのは妊活中の今でも良いと思いますし、妊娠が分かってからでもどちらでも良いと思います。

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